いま乗るルノー・クリオ・ウィリアムズ 93〜96年生産の「極上」の味とは

公開 : 2017.10.07 08:40  更新 : 2017.10.07 15:00

「座を明け渡せ、新しいチャンピオンの登場だ」

パワーは16Vより少しアップしただけだが、このクリオ・ウィリアムズは瞬く間に賞賛を得ることになる。先述のMotor Sport誌のロードテストには、「ワールドクラスの乗り心地とハンドリング。グリップは強大だが、リミット内の安全性も維持されている」とレポートされた。

強大なパワーとクラスをリードするダイナミクス性能を持つハッチバックであることに間違いはない。もはやこのクルマはエンジンや装備面のモデルチェンジではなく、純粋に性能を高めるためにリエンジニアリングされたモデルであることは明らかだ。

「座を明け渡せ、新しいチャンピオンの登場だ」というルノーの明確なメッセージがはっきりと伝わってくる。

今回取り上げるクルマは、英国に残っていた記念車両の1台で、ダッシュボードのプレートには0001と記されている。走行距離はわずか4000kmほどで、自動車雑誌の取材や特別なイベントにしか使用されない。

元々博物館への展示用にフランク・ウィリアムズ卿に納車されたもので、ウィリアムズが博物館のコレクションを売却した2006年にルノーへ返却された。クリオにしろ、ディノにしろ、量産モデルの第1号に乗るのはどこか緊張してしまう。もちろんそれは、絶対に傷つけてはならないという責任感のせいでもあろう。

ほかのすべてのクリオ・ウィリアムズと同じように、メタリックブルーのボディは傷ひとつなく、まるで新車に見える。実際に、走行距離を考えると、新車といっても良いくらいだ。このカラーリングが、フルビアのようなゴールドのアルミホイールや極めてシンプルなルノー・ダイヤモンドのエンブレムと美しいコントラストを織りなす。

フロントとリアのフェンダーはドアからデリケートに張り出し、繊細に男らしさを演出している。ボンネット上には、掃除機のアタッチメントのような形のエアインテークがあり、そうした印象が一層強まる。ルノーがF1での勝利を祝っているとしたら、かなり慎みのある祝い方といえるだろう。

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