オークションの読み方 「ディープ・アメリカンのオークション」
最終更新日:2017.10.28
ハーシーのキッスチョコをご存じですか? 今回のオークションは、ハーシー発祥の地で開催。アメリカの “愛好家” に向けたコアなラインナップが特徴の「RMサザビーズ・ハーシーズ・オークション」を見てゆきましょう。
■もくじ
どんなオークション?
ー「RMサザビーズ・ハーシーズ・オークション」とは
ーポイント1 「ハーシー」発祥の地 ペンシルべニア州ハーシー
どんな車両が出品?
ーポイント2 アメリカ車が約9割、戦前車が2/3というライナップ
ーポイント3 落札率は92.2%と好調
流札? 落札? リザルト一覧
ー「RMサザビーズ・ハーシーズ・オークション」リザルト一覧
どんなオークション?
「RMサザビーズ・ハーシーズ・オークション」とは
●2017.10.05-06 「RMサザビーズ・ハーシーズ・オークション」
アメリカのオークションハウスであるRMサザビーズが、アメリカの愛好家に向けてアメリカで開く、最もアメリカンに特化したラインナップが特徴といえるオークションだ。
ポイント1 「ハーシー」発祥の地 ペンシルべニア州ハーシー
アメリカ最古のチョコレートとしておなじみの「ハーシー」発祥の地であるペンシルべニア州ハーシーを舞台に行われるもので、アメリカ車、それも戦前車を中心としたアメリカの愛好家に向けた車両が用意される。戦前車は20世紀初頭のモデルから、アメリカにおけるクルマの歴史を刻んできた今は無きメーカーの車両も数多く用意された。またアメリカ人にとって懐かしのコマーシャルカーからピックアップ、はては観光バスまでが並び、彼の地でのクルマ趣味の深さが伺い知れる。
どんな車両が出品?
ポイント2 アメリカ車が約9割、戦前車が2/3というライナップ
ちなみに今回出品された142台の内訳をみるとアメリカ車が127台で89.4%を占め、戦前車が69.7%というアメリカのベテラン愛好家に向けた方向性が見える。そのため一般的なオークションで主役となるフェラーリは僅か1台のみで、それも365GT 2+2と渋く、このほかもお付き合いで出品されたと思しきモデルが並ぶ。
逆にフォードは1915年フォード・モデル Tローゼンバーガー・ピックアップから1958年フェアレーン500スカイライナーまでの23台が用意され、キャデラックは17台、パッカードも11台並んだ。ここでお気づきのように普通のオークションで主力となる1960~70年代のクルマは、ハーシーズでは僅か11台に留まるのである。
あくまでもグッド・オールデイズを愛するアメリカのクラシックカーファンに向けたオークションであることが分かろう。また唯一の日本車としてランドクルーザーが出品されたのが興味深い。
ポイント3 落札率は92.2%と好調
対象を特化したオークションだけに落札率は92.2%と極めて高かった。極め付けのモデルは高価で落札されているが、ほとんどのモデルは現実的な額で落札されている。ここでの高額ベスト6を記すと、
・1933年ピアスアロー・シルバーアロー(2億6103万円)
・1935年デューセンバーグ・モデルJカブリオレ(1億6781万円)
・1936年キャデラックV-16コンバーチブル・セダン(8080万円)
・1935年パッカード・トゥエルブ・スポーツフェートン(5594万円)
・1937年コード812スーパーチャージド・カブリオレ(4662万円)
・1941年パッカード・カスタム・スーパーエイト・コンバーチブル・ヴィクトリア(4528万円)
と、戦前のアメリカの高級車が占めた。
逆に最も安かったのは1929年ワシントン・モデルAトラクター(50万円)で、1万ドル以下の落札車だけでも
・1931年フォード・モデルAシャシー(56万円)
・1950年マーシー・ファーガソンTO-20トラクター(56万円)
・1926年ビュイック・マスターシック 5座セダン(69万円)
・1980年メルセデス・ベンツ450SEL(87万円)
・1906年オリエント・バックボード(87万円)
・1928年ウイペット・モデル98クーペ(100万円)
・1914年オーヴァーランド・モデル79ツーリング(106万円)
と、2台のトラクターが含まれるが数多く揃った。
今回は出品台数が多いため代表的な車両を紹介するが、日本ではその名も聞かぬ今は無きメーカーの車両たちに興味を持たれた方は、RMサザビーズのホームページをご覧いただきたい。
https://rmsothebys.com/en/home/lots/HF17#page=1&view=20&collection=All%20Availability
- 2024.04.20 【マツダCX-80公開】 新型クロスオーバーSUV 欧州市場におけるマツダの最新かつ最上級モデル
- 2024.04.20 名前変われど揺るがぬ「隠れ指標」の2ドアクーペ メルセデス・ベンツCLEクーペをテスト
- 2024.04.20 発電用「ロータリー」で新風! マツダMX-30 R-EV お値段以上のインテリア 長期テスト(1)
- 2024.04.20 フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第2回】モンテゼーモロ以前のフェラーリ
- 2024.04.19 嘘のように速いホットハッチ:MG 4 EV Xパワー 「まさにコレ!」な正当性:クプラ・ボーン お手頃EV 12台比較(6)
- 2024.04.19 シリンダー内の「旋回流」が鍵? アンモニアは化石燃料の代わりになるか 上智大学の研究チームが発表
- 2024.04.19 【全幅2mの新型レクサスSUV】 レクサスGX550 100台抽選「GX550オーバートレイル+」も国内先駆け販売
- 2024.04.19 ビル3フロアのショールーム BYD AUTO 目黒がオープン、BYDジャパン社長が意気込み語る
- 2024.04.19 【ついに発表トヨタ・ランドクルーザー250シリーズ】 限定車ファーストエディションも販売へ
- 2024.04.19 VW、実用的な高級車「ID.7ツアラー」 荷物 “積み放題” の電動ワゴン 約1000万円から受注開始、欧州
- 2024.04.18 韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
- 2024.04.18 日産 “武士の甲冑” デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
- 2024.04.18 【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
- 2024.04.17 気取らないゴルフ的:フォルクスワーゲンID.3 反発意見も多い:テスラ・モデル3 カッコだけじゃない:ルノー・メガーヌ E-テック お手頃EV 12台比較(3)
- 2024.04.17 マクラーレンの新店舗が横浜みなとみらいにオープン、さらにアルトゥーラ スパイダーを日本初公開 2つの相乗効果にせまる
- 2024.04.17 1.0L 2気筒ターボ+電池で700km以上走るのに… メルセデス・ベンツ「レンジエクステンダーEV」開発中止か
- 2024.04.17 グリルが一味違うぞ! マセラティ新型「2ドア・オープンカー」実車公開 760馬力、快適重視のグランカブリオ・フォルゴーレ
- 2024.04.16 快適な長距離クルーザー:ジープ・アベンジャー 成長過程の特有な個性:BYDドルフィン 魅力的な特徴は多いケド:ボルボEX30 お手頃EV 12台比較(2)
- 2024.04.16 テスラ、EV販売低下で人員削減へ 約1万4000人に影響か マスクCEO「コスト削減と生産性向上のため」
- 2024.04.16 メルセデスAMG “1000馬力” の「スーパーSUV」開発スタート 完全独自設計で2026年導入か
公式SNS
おすすめ
-
大倉士門と藤井誠暢がドライブ 他のアルファとは違う、ステルヴィオ・クアドリフォリオの2面性ある魅力とは?
2024.04.16
-
ヒョンデ アイオニック5 新たな「プレミアム」を定義するゲームチェンジャー
2024.04.15
-
「鉄仮面」に惑わされるな!? ヒョンデの末弟「コナ」は、小さくてもハイレベルの実力派
2024.04.12
-
【ジャーナリスト同乗解説つき】ヒョンデ コナ・アイオニック5 話題の2モデル一気乗り試乗会 開催
2024.04.12
-
ロータス東京で開催 読者向けエミーラ試乗会 ジャーナリスト同乗解説も
2024.04.10
-
追求したのは「リアル性能」現場で使える軽商用EV 三菱ミニキャブEV
2024.04.10
-
マセラティ グレカーレ モデナ 実現するのは「日常にマセラティを添える」非日常体験だ
2024.04.01
-
三菱アウトランダーPHEV 揺るがぬ人気を裏づける高い実力とは
2024.03.28
-
生まれ変わったブリヂストンREGNO GR-XIII AMG CLA 35も様変わり 輸入プレミアムの選択肢にも
2024.03.25
-
明日はわが身? データシステムから「カースティールブロッカー」登場、車両盗難から愛車を守る切り札に
2024.03.19