F1、経営権がリバティ・メディアに 苦境は改善? 解決策とは

公開 : 2017.12.03 18:10  更新 : 2018.01.11 16:40

最優先事項は「ファンを増やすこと」

「当初から、われわれはファンをよりF1に近づけ、このスポーツの魅力をより拡げることに注力しています」と言うのはブラッチスだ。

「このスポーツをさらに成長させるための潜在力は十分にありますが、米国におけるF1への興味を高めようとすれば、F1に対するワクワク感を感じる機会をさらに提供する必要があるのです」

「そのために米国内でのレースを増やしたいと思いますし、米国と同じ時間帯を持つ地域でのレースを6つにしたいと考えています。そうすれば、米国の視聴者にとって好ましい時間にレースを中継する事ができるようになります。いまのところは、オースティン、カナダ、メキシコとブラジルの4レースが米国と同じ時間帯の地域で開催されています」

同様にブラッチスは、こんにちのF1マーケットのもうひとつの大きな拡大市場であるアジア地域でのレースも増やそうとしている。

上海とシンガポールでのF1開催権の契約が短期であることは興味深い事実だろう。

つまり、リバティはF1の価値はまだまだ向上させることができると考えており、長期契約でその価値を固定したくはないという事だ。レースの開催権を巡る列には多くの都市が並んでいる。

キャリーはF1を「選ばれた都市」で開催することによって、各レースをより大きく、より良いものにしようとしている。彼は各グランプリを各国におけるスーパーボウルのような存在にしたいと考えていたが、加えて、リバティはいくつかの伝統的な開催地は維持することで、既存のファンを喜ばせる一方、新たなファン層を作り出そうと躍起になっている。

この方針は、7月に行われたロンドンでのストリート・イベントのように、来年展開される一連のプロモーション活動にも反映されるだろう。

さらには市場調査や2021年導入予定の新ルールの制定を含め、様々な領域で多くの取組みが行われている。

一方で問題も生じつつある。

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