レクサスLS 5代目に試乗 デザインと質感は最高、500hのエンジンは力不足

公開 : 2018.01.11 11:40  更新 : 2018.01.11 13:52

期待以上 しかし強豪相手には不足も

それを別にすれば、このクルマはレクサスのフラッグシップに期待する以上のものを見せる。

全車標準装備のエアサスペンションは、このクラスに求められる乗り心地の水準に達しており、飛ばして楽しいものではないが、不快なところも全くなく、正確で、長い高速コーナーでは落ち着いた身のこなしを示す。

とはいうものの、この手のクルマであれば卓越していなければならないような領域を深く検分してみると、驚くほど物足りない。たとえばショーファードリブンを想定するなら、後席のヘッドルームには問題がある。190cmほどの身長だと、髪がルーフに触れてしまう。

タッチパッド式の操作系にも期待していたのだが、他のレクサス車で同様のデバイスに触れており、このクルマでも長い時間使ってみたにもかかわらず、好きになれるどころか、スムーズに操作することさえできなかった。

結局、これはデザイナーの自己表現に多くを費やしたクルマだ。そして、その手のクルマにはよくあることだが、デザイナーの自由は、その代償にエンジニアリングへの妥協を強いるものだ。このLSに関していえば、機能とフォルムの間には大きな開きがある。

最大の問題は、これがマイナーチェンジでリフレッシュしたメルセデス・ベンツSクラスやクラスベストといえるBMW 7シリーズ、また極めて効率のいい新型アウディA8などに対抗しなければいけないということ。

今のところ、英国でこのLSを選ぶのは、そうしたドイツ勢の予定調和が気に食わないという少数派だけではないだろうか。反骨精神の持ち主のためのクルマ、と言ってもいい。

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