レクサス『LS』 6輪ミニバンとして生まれ変わる? 革新的なコンセプト、「本気」で実現目指す

公開 : 2025.10.14 17:25

トヨタは、6輪ミニバンという大胆な構成のコンセプトカー『LSコンセプト』の予告画像を公開しました。従来のセダンタイプとは異なる新しいラグジュアリーの形を提案するもので、車内空間を広く確保できるとのこと。

新しいラグジュアリーの形を提案

レクサスは、フラッグシップの高級セダン『LS』を刷新し、BMW 7シリーズメルセデス・ベンツSクラスといった競合車との差別化を図る構えだ。

トヨタの高級ブランドであるレクサスは、新しいコンセプトカー『LSコンセプト』の予告画像を公開した。これはセダンではなく、レクサスLMを彷彿とさせる6輪ミニバンである。詳細は、10月29日開幕予定のジャパンモビリティショー2025で明らかにされる。

レクサスLSコンセプト
レクサスLSコンセプト    トヨタ

トヨタの豊田章男会長はオウンドメディア『トヨタイムズ』のライブ配信で、LSの従来の「ラグジュアリーセダン(LS)」という位置付けにこだわる必要はなく、今後は「ラグジュアリースペース(LS)」と解釈できると示唆した。

豊田会長はLSコンセプトについて「未来の新たなラグジュアリーの形」だと述べ、高級車を購入する人は車内空間を重視しているため「新しいパッケージングが必要だ」と指摘した。

トヨタのブランディング責任者であるサイモン・ハンフリーズCBOが公開した簡易的な車内デザインモデルによると、LSコンセプトは6人乗り仕様で、2列目と3列目に広いレッグスペースを確保するようだ。3列目のシートは4本の後輪の上に配置される。

ハンフリーズCBOは、6輪構成は後輪の直径が従来型よりも小さいため、車両後部のスペースを拡大できると説明した。「リアタイヤは小さくなり、車内空間は大きくなる。比較的シンプルなコンセプトだが、効果は大きい」とのことだ。

しかし、豊田会長によれば、6輪構成はレクサスにとって大きなチャレンジになるという。「レクサスブランドには静粛性や乗り心地など期待されていることがある」と会長は述べ、「まだ実現できるかどうかはわからない」と付け加えた。

多くのメーカーが過去に6輪車を検討したが、その構造の複雑さゆえに断念してきた。最も有名な例であるF1マシン、ティレルP34は、フロントに4輪を備えていたが、グランプリの激闘の中で小型のフロントブレーキディスクがすぐに過熱し、ブレーキトラブルを頻繁に起こした。これが公道での走行でも問題となるのか、あるいは油圧ブレーキではなく電気モーターの回生効果に頼ることで回避できるのかは、まだ見通せない。

「実現にはまだ時間がかかるが、みんな本気で取り組んでいる」と豊田会長は力を込めた。

LSコンセプトはまた、レクサスの新たなデザイン言語も体現するものになる。豊田会長は、ブランドの特徴であるスピンドルグリルデザインに「発展性がない」として、代わりに「ボディ全体でスピンドルを表現する」形になるのではないかと語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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