【レクサスLSクーペ・コンセプト】最も現実的なLS?カイエン、iX対抗の高級SUV初公開 #JMS2025

公開 : 2025.10.30 17:25

レクサスが新しいコンセプトモデル『LSクーペ』を公開しました。ポルシェ・カイエンやBMW iXに対抗する高級SUVで、LSの未来の姿として検討されているようです。快適性と走る楽しさの両立を目指しています。

LSが目指す未来の方向性の1つ

レクサスは、ジャパンモビリティショー2025で新型『LSクーペ』コンセプトを公開した。1人乗りのLSマイクロ・コンセプトや6輪ミニバンのLSコンセプトなど、新しいLSシリーズの一角として販売される可能性がある。

この動きは、かつて高級車市場の基盤を成していた大型セダンの世界的な需要減に対応したものだ。レクサスLSは、1989年に同ブランド初のモデルとして登場したが、欧州では今年初めに生産終了となった。

ジャパンモビリティショーで公開されたレクサスLSクーペ・コンセプト
ジャパンモビリティショーで公開されたレクサスLSクーペ・コンセプト    上野和秀

LSマイクロ・コンセプトとLSコンセプトは、今後の方向性の多様さを示しているが、LSクーペ・コンセプトは最も現実的で量産に近いように見える。

スタイリッシュな高級SUVとして、同様のコンセプトを持つメルセデス・ベンツBMWポルシェのモデルと競合するだろう。ただし、性能やサイズに関する情報は一切明かされていない。

トヨタのカリフォルニア・デザインスタジオを統括するイアン・カルタビアーノ氏は、LSクーペ・コンセプトについて「あらゆることを、しかもスタイリッシュにこなせる」と述べた。

「高級セダンの車内空間と、真のドライバーズカーがもたらす魅力的な体験を兼ね備えた、未来のラグジュアリー体験を提供します」

量産化の可能性は不明ながらも、このコンセプトモデルはレクサスの未来像を示す点で重要な存在だ。

例えば、車内には3つのワイドデジタルディスプレイが配置されている。ドライバー用が2つ、助手席用が1つ(折りたたみ式)で、次世代インフォテインメント・シスムを搭載している。また、ヨーク(操縦桿)型のステアリングホイールは、RZで採用されたステアバイワイヤ技術のさらなる発展を示し、スポーツスタイルの運転席はパフォーマンス重視のモデルであることを強調するものだ。

後部座席では、自動展開式アームレストと前席シートバック一体型の縦長スクリーンを備えている。従来の高級セダンと同等の広さを確保しているという。

さらに、後部デッキから展開可能な高速ドローンを搭載しており、車両に追従しながら走行シーンを撮影できる。従来のトランクリッドに代わる引き出し式収納は「簡便かつ優雅な収納を実現する」とのことだ。

量産化の計画はまだ定かではないが、仮に実現すれば、RZと同様にトヨタのe-TNGAプラットフォームを活用することになるだろう。レクサスで2番目に長い歴史を持ち、世界的に人気の高いRXのEV版として位置付けられる可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。
  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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