孤高のF1実況者と一緒にF1を観ると?

公開 : 2018.01.20 11:40

今のフェラーリ

ウォーカーは長年にわたって、この有名な赤いレーシングチームとの付き合いがある。彼は当時テクニカル・ディレクターだったロス・ブラウンに「ハッキネン・ツアー」と呼ばれていたフィオラノのレース拠点に連れて行かれた時のことを思い出す。

そこは本来部外者立ち入り禁止の場所だ。彼はエンツォ・フェラーリにも何度か会っており、有名な紫色のインクで「il Commendatore」とサインが入った本を誇らしげに飾っている。

話を今に戻すと、われわれは現在のマラネロの主であるセルジオ・マルキオンネが発した、もしF1に導入される新ルールがフェラーリにとって適切なものでなければ、この跳ね馬のチームをF1から撤退させるかもしれないというコメントの持つ影響について議論していた。

マレーはこの発言に懐疑的である。彼は「もし、マルキオンネがフェラーリをF1から撤退させたら、彼はイタリアにいられなくなるだろう?」と言う。

ウォーカーと話すのは貴重な体験だ。そして彼がどれほど大抵の有名人と違うかに気が付く。彼は相手が話し終えるまで、きちんとその話を聞くのだ。ウォーカーにはコメントを求められたとき用に蓄えられた膨大な話のストックがあるはずだが、一方で彼は他人の話すことにも興味を持っている。

彼の自尊心について聞いてみた。

「誰にもそれはあるんじゃないかな。わたしは長年に渡ってみんなに知ってもらえてとても光栄だけど、それは自分自身の力じゃなくてテレビのお陰なんだよ。ほかのひとたちと違うのは、ただテレビにたくさん出ているってことだけだ。テレビのスイッチを切ったらすぐに消せる存在だってことを忘れちゃいけない」。

レース開始が近づいてきた。

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