メルセデス・ベンツSL63 AMG vs ジャガーXKRコンバーチブル 回顧録

2018.02.08

意外な結論

 

今回の2台で、そのタスクをより満足のいく形でこなすことができるのはSL63である。設計上の制約、つまり基本設計の古さや2t近い車を考えれば信じられないほど優れたドライビング・クオリティを備えているからだ。それでいて、本質的にSLとしてのラグジュアリー性と快適性は保たれている。ジャガーXKRもきわめて魅力的だが、いかんせんパワーの点でSL63にかなわない。また、総合的な評価でもわずかにおよばない。
 


 
けれども審美的に見ればXKRの文句なしの勝利であり、SL63のほうが能力は高かったとしても、XKRも決して屈辱を味わったわけではない。なにより忘れていけないのは、この2台のあいだには500万円もの価格差があるということだ。

実のところ、XKファミリーのなかでもっとも満足度が低いモデルが、新しいSLファミリーでもっとも魅力的なモデルと対決しなければならなかったのは、運が悪かった。途中でSL550が居合わせたこともあったが、もしSL550が相手だったなら、XKRが勝っていただろう。あるいは、今後ジャガーが5.0ℓで500psのXKRを投入することになれば、今回とは違った結果になるのは間違いない。
 


 
だが、少なくとも今回はSL63AMGの実力を探るのがわれわれの目的であり、XKRは当て馬としてその仕事を完璧に成し遂げた。SL63は品の悪いルックスと、旧モデルのSL55のような暴力的なトルクを持たないというマイナス要素を抱えてはいるものの、素晴らしいクルマであることが明らかになった。

XKRコンバーチブルやSL55AMGのようなエモーショナルな魅力はないが、ドライビングマシンとしての能力は文句なしであり、同じジャンルにはこのクルマに代わり得るモデルはおそらく存在しない。それじゃあこのSLに乗って、もう一度ソルトン・シティまで戻るかって? とんでもない。それだけはご勘弁いただきたい。

 
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