試乗 アバルト124 GT ハードトップ、魅力を倍増させるか

公開 : 2018.04.20 11:55  更新 : 2018.04.20 11:55

どんな感じ?

「チャーミングな殺し屋のよう」

ルーフは元々の幌よりも多少マシといったところ。幌に使われているファブリックで裏打ちされている。大きなリアリアウインドウにはアバルトいわく、3分以内に結露を取ることができるデフロスターが付いている。総じて雨よけとしての機能は満たしている。

標準の124スパイダーと同じで、第一印象はレコード・モンツァ・エグゾースト・システムのサウンドで占められている。ガラガラ、ゴボゴボと聞こえてくるが、チャーミングな殺し屋のようなこのクルマの雰囲気にはちょうど合っている。

短いシフトレバーはかっちりしていて、1速に入れスロットルを開けると驚くほどシャープに回転が上がり、スタートを決められる。

ダイナミクスの印象は?

動力性能は、見た目を裏切らない妥協のないものだ。われわれが以前語ったように、このクルマの足回りはMX-5よりも固く、フラットにコーナーを曲がっていく。しかし、鋭いひとならばサスペンションの緩さを感じるかもしれない。大抵の場合俊敏でレスポンシブだが、普段よりプッシュしすぎるとロール・レスポンスが遅れてしまう。

ターボエンジンも依然としてハイライトのひとつだ。中回転域のトルクフルな特性は実用的。48-113km/hの4速固定の中間加速は8.3秒と、トヨタGT86(日本名:86)よりも1/3ほど速い。加速力を引き出しやすいので、124スパイダーのおおらかなシャシーバランスも加わり、十分に楽しめる。

ソフトトップモデルと比べて、体感できるほどリファインされているかと言われれば難しい。しかし、アウトバーンで240km/h出している時でも、113km/hの時の会話の苦労とさほど変わらない。

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