フォルクスワーゲンが中国に「入れこむ」理由 成長過程、電動化の野望さぐる

公開 : 2018.04.25 20:20

電動化の野望

若い購買層は、電動自動車にもご執心だ。またこれは中国政府の方針でもある。政府は厳しいCO2ルールを導入し、新エネルギービークル(NEV)の育成を促している。「メイド・イン・チャイナ2025」運動の礎石にしたい考えだ。

このため、フォルクスワーゲンは開発中の電動MEBプラットフォームの完成を待たず、2020年までに電動自動車を10車種発売する計画である。引き続いてMEBベースのNEV10車種を投入する。

フォルクスワーゲンは2025年までに世界で100万台のEVを販売する計画で、そのうち65万台が中国だ。

フォルクスワーゲン中国R&Dの所長スヴェン・パツーシュカはこういう。「中国は革命的ですね。成長著しく、どんどん技術を飛び越えていきます。中国にはワゴンはありません。若い顧客はまっすぐSUVに飛びつくんですよ」

三拍子そろったフォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンは1984年以来中国の自動車市場で存在感を持ち続け、三段戦法で中国最大の自動車メーカーになった。

最初、フォルクスワーゲンはジョイントベンチャー上海SAICフォルクスワーゲンとして中国に参入した。その後1990年に北東の都市、長春にFAWフォルクスワーゲンを開設する。そして仕上げが北京を本拠地とするフォルクスワーゲン・インポートの設立である。

3社はそれぞれ異なった地域の市場を担当しており、独自のモデル構成を持つ。フォルクスワーゲンの販売のトップであるユルゲン・スタックマンは、このふたつのジョイントベンチャーの公平を保つよう努力しており、ディーラー数、モデル数ともほぼ同じであるという。

このため、フォルクスワーゲンは中国向けモデルのラインナップを急拡大しており、例えば最近、同サイズの中国専用SUV2車種の販売を始めた。各ジョイントベンチャーに1台ずつ割り当てるためだ。

モデルの割り当てはどのように決定するのか?「大喧嘩になることもありますね」とスタックマンはいう。

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