マクラーレン570S GT4 ワンメイクレースに参加 運転、2日間でどう変わる?

公開 : 2018.06.16 16:10

古い運転作法は通用しない

さておき、わたしの最速ラップ走行が画面に出ると、ベニーは自分の走行と重ねあわせながら、バラエティ番組の司会のように話しだした。

なに、こまかい説明など無用ですよ。小ガモが親ガモについていくように、わたしのマシンはあなたの軌跡をたどっていくはずですから―といいたいところだったが、わたしのマシンの遅さといったらまるでパブに寄って道草でも食ってるかのよう。

「OK、」ベニーはひと区切りおいた。「問題点はわかったよ。きみには才能がないんだ」彼はたしかにコメディアンみたいだが、講師としてもすご腕だ。

セッションと周回を重ね、ブレーキング〜コーナー進入〜エイペックス通過〜脱出のプロセスをくり返すあいだ、わたしの良くない点を次々と指摘してくれた。

まとめると、わたしは古いレーシングカー、すなわちグリップをたかめる空力/機械デバイスのないマシン用のドライビングをしていたのだった。スロットルを踏んづけてリアをスライドさせるのが古いレースカーの作法だったし、ブレーキだってわたしの1965年式ファルコンのが弱かったこともあって、ついあまり頼らずに走ってしまっていた。

ダウンフォースが高まる257km/h以上になるとブレーキングが非常に有効だと教えてもらい、じぶんでたしかめて納得すると、もうABSを効かせるのになんのためらいもなくなった。

ほかのマシンのデータを見てもよかったのだが、となるとどうしても最速のドライバーのものに目がいく。データの主はミア・フルーウィット。マクラーレンCEOマイク・フルーウィット夫人にして、腕も経験もある非常に速いドライバーだ。

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