ロードテスト アストン マーティン・ヴァンテージ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2018.06.16 10:10

結論 ★★★★★★★★★☆

「より速くクレバーで、ハードコアになったベイビー・アストンは、クラス最高の一台だ」

ヴァンテージのライバルたちは、多少の差こそあれ同様の価格帯に収まる。しかし、設計面ではいささか違いが見出せ、各車のアピールポイントははっきりと異なる。ところがヴァンテージは、スーパースポーツカーのカテゴリーに懐の広さという価値観を持って乗り込み、さまざまなテリトリーをカバーしている。

これは毎日の足に使える類のクルマで、おそらくはいかなるミドシップモデルより気楽に付き合えて、快適で、広い空間を備えている。スーパーカーのレベルに限りなく近い速さとサーキット走行にも適うハンドリングの持ち主だが、多くのライバルたち以上に日常遣いの速度域でも個性と楽しさを味わえる。止まっている姿だけでも物欲を刺激するに十分だが、インテリアのリッチさや真にエキゾティックな高級ブランド商品らしさにも満ちている。12万ポンドのスポーツカーとしては、まさに完璧なクオリティの塊といえる。

テスター陣の主観を述べるなら、アストンがルックスにインパクトを求めるあまり、先代にあったうっとりするようなヴィジュアル面の魅力が損なわれたことだけが悔やまれる。あとは、英国の道を走ると、ボディサイズの大きさがマッチしない状況に出くわすこともある。とはいえ、このクラスでヴァンテージ以上に、乗るものを笑顔にさせる機会と理由を多く持つクルマはない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

テスト車のレザー内装を見て、色の組み合わせが気に入らないとおっしゃるかもしれないが、心配ご無用。アストンは数百通りのバリエーションを用意している。また、色が地味すぎるというのなら、エレクトロンイエローかヴィヴィッドレッドのアクセントはいかがだろう。それをオーダーする勇気があれば、の話だが。

サイモン・デイヴィス

テストカーの内装は、シートの背後に取り付けられたマジックテープ式のストラップまで柔らかなレザーに包まれていた。テストコースでは車内に消火器を常備することが義務付けられているが、これを手軽に固定できるのでとても助かったアイテムだ。

オプション追加のアドバイス

デザイナー・スペシフィケイションズと銘打たれたプログラムを利用すれば、色と素材の組み合わせを決める助けになる。われわれがおすすめするテーマは「モルテン」か「タクティカル」だ。もっとも、どれを選んでも、スポーツプラスシートと20インチの鍛造アルミホイールは含まれる。

改善してほしいポイント

・グリルのデザインはリファインしてほしい。
・前方だけでも、視認性を改善してほしい。
・AMR仕様に限らず、軽量化の工夫を重ねてほしい。
・できるだけ早く、V12仕様を追加してほしい。

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