オフローダーを「自社流」に カスタムではなく「作り直し」 アフザル・カーン訪問

公開 : 2018.08.19 12:10

オフローダーをカスタマイズ販売

今では、この会社はジープラングラーランドローバーディフェンダー、それにメルセデスGクラスに特化している。3台とも第二次世界大戦にまでルーツを遡ることができるオフローダーだ。カーンは毎年最大200台のカスタマイズされたオフローダーを販売する。そのほとんどは英国で販売されるが、一部は欧州大陸や中東へ販売される。

会社をスピンオフさせたのはビジネス的にいい判断だった。カーン・デザインは高価なラグジュアリービークルやハイエンドのスーパーカー(例えば、アストン マーティンをベースにしたヴェンジェンスには36万ポンド(5250万円)のプライスタグが付いている)を主力としているが、チェルシー・トラック・カンパニーが扱うのはもっと現実的な商品だ。

「3万ポンド(440万円)から5万ポンド(730万円)のクルマをつくれば、今までと違う新しい客層を開拓できると考えたんです」とカーンはいう。

「このようなクルマは1台限りじゃありません。完成品を買ってきてパーツをくっつけるだけじゃないんです。われわれが行うのは、正しくデザインし、正しくエンジニアリングすることです。自動車メーカーから直接クルマをバルクで仕入れて、全面的に作り直すのです」

「あたらしいプロジェクトをスタートする場合、仕入れたクルマを分解してスキャンし、ボディから必要なデジタル情報をすべて取り込むことから始めます。そのあと、初めてデザインスケッチを始めるんですよ」

「クラッシュ構造も確認します。どこまで改造できるか調べるんですよ。あってはならないことですが、もし誰かが事故を起こしたら、保険会社には実は元のクルマより強固なんですよということができます」

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