BMW、通期の利益率予想を1~3%に下方修正 中国で冷え込むエンジン車需要、消費者は国産高級EVへシフト

公開 : 2026.06.23 17:05

中国市場で内燃機関車への需要が冷え込み、BMWは2026年通期の利益率予想を大幅に下方修正しました。今年の中国市場は全体で14%落ち込み、消費者は国産EVへと移行。BMWはその波に乗りきれていないようです。

中国で進む電動化の流れ

BMWは、中国での販売不振や中東紛争の余波を受け、今年の利益予想を大幅に下方修正し、減損処理の可能性を警告した。

今年、中国市場全体が鈍化する中、内燃機関に依存する欧州の高級車メーカーに影響が及び、BMWモデルの販売は予想以上に大きな打撃を受けた。

BMWは中国市場で苦戦を強いられている。
BMWは中国市場で苦戦を強いられている。

中国自動車工業協会(CAAM)の統計によると、今年5月末までのBMWの中国国内販売台数は前年比15%減の18万7899台となり、特に5月単月の販売台数は31%減と極めて厳しい状況だった。

また、中国乗用車協会(CPCA)の予測によると、中国の新車市場は今年、前年比14%減となる見通しだ。これを受け、BMWは投資家に対し「利益の大幅減」を警告し、年間利益率は当初の予測である4~6%から1~3%に低下すると見込んでいる。また、BMWは米イラン間の対立がコスト増や世界的な消費者心理の悪化を招いたことも要因として挙げている。

BMWは、メルセデス・ベンツフォルクスワーゲン・グループと同様、中国市場における内燃機関車の需要に依存してきた。しかし、ガソリン価格の高騰や、EVおよびプラグインハイブリッド車(PHEV)への消費者の関心の高まりを背景に、今年は内燃機関車への需要が急減した。

CPCAのデータによると、ハイブリッド車を含む内燃機関車のシェアは5月に過去最低の37%まで低下し、乗用車販売全体の減少分の82%を内燃機関車が占めた。5月には、中国で最も売れた車種トップ10がすべてEVまたはPHEVとなり、1月のわずか3車種から大幅に増加した。

国内メーカーに人気集中

BMWはこの電動化の流れにうまく乗れずにいる。同社の発表によると、第1四半期の中国における販売台数のうち、EVやPHEVの割合はわずか6.7%にとどまり、昨年の26%から低下したという。BMWは現在、メルセデス・ベンツ、アウディジャガーランドローバー(JLR)と同様に、中国向けのラインナップからPHEVを外している。

世界各地で展開するBMWの幅広いパワートレインラインナップは、顧客に選択肢を提示するという点において、同社の「アンチフラジャイル(反脆弱性)」戦略の要であると、オリバー・ツィプセ前CEOによって長らく強調されてきた。

BMW i7
BMW i7    BMW

ツィプセ氏は、中国政府が補助金制度にブレーキをかけたことで、今年第1四半期に中国全土でEVの販売が落ち込んだと指摘していた。

5月の第1四半期決算説明会で、ツィプセ氏は「販売台数は(単に)減少したのではなく、急落しました。そして何が起きたかというと、同時に、当社の内燃機関車の販売台数が増加したのです。中国は、あらゆるセグメントを網羅し、技術に対してオープンであることの重要性を示しています。これが、当社の戦略が正しいことの証明です」と語った。

しかし、ツィプセ氏の発言は時期尚早だったようだ。米イラン間の対立により燃料価格が急騰し、さらに顧客は、理想汽車(Li Auto)、ニオ(Nio)、ジーカー(Zeekr)、アイト(Aito)といった中国国内の高級電動車メーカーに流れていった。これらのメーカーは技術力の向上に伴い、徐々にBMWの市場シェアを蝕んできたのだ。

BMWは、中国のライバルに対抗するため、ハイテクな「ノイエ・クラッセ」プラットフォームを採用した新型電動SUV『iX3』とセダン『i3』の発売に期待を寄せている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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