長期テスト ホンダ・シビック・タイプR(3) 空力性能/足回り

公開 : 2018.07.26 11:40

積算6309km 空力を考えたデザイン

シビック・タイプRのエクステリアは優れたスタイリングだと、常に高い評価を受けるわけではないかもしれない。しかし、機能と形状とがリンクした効率的なデザインなのは間違いなく、ウイングもダクトもすべて、標準仕様のシビックと比べてエアフローの向上に役立っている。

例えば、フロントバンパーの形状はエアカーテンを作り出し、フロントタイヤからの乱流をそらす機能を持つ。ホイールの後ろのスラットはドラマチックな見た目をしているが、これはホイールアーチから空気を逃がすことで、アーチ内の気圧を下げる働きをする。フロントスプリッターやサイドスカートはフロントアクスルへのダウンフォースを生み出し、前輪だけでこの膨大なパワーを御するのに一役買っている。

これはあくまで理論上の話だが、先日ひょんなことから空力テストの真似ごとを行うことができた。イギリスを襲った歴史的な寒波が明け、穏やかな晴れた日のことだ。路面の氷は溶け、塩分の混ざった水が黒いボディを汚していた。

このクルマを1月に導入したときから、575ポンド(8万4000円)のオプションだったパールブラックペイントは泥がすぐ目立つのではないかと懸念していたが、やはり懸念は正しかった。ただ面白かったのは、泥の飛び跳ねた跡で空気の流れ方がわかったことだ。わたしが見た限り、まだまだ極めて多くの乱流がボディの周りを包んでいるようだ。しがないAUTOCAR専属フォトグラファーによる分析でしかないが。

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