ラスト・ドライブ VWビートル 歴史やヒット作を振り返る

公開 : 2018.08.04 16:10

100万台超の大ヒット

しかし彼らの目こそ節穴だった。1949年には、フォルクスワーゲンの所有権がドイツ政府に戻る。1950年にはビートル(正式にはタイプ1)の生産台数は10万台に達した。100万台目が工場をあとにしたのは1955年のことだった。

修理がたやすく部品供給も豊富、燃費もよく見た目も小粋、そして「レモン(ここでは「不良品」の意味。出荷前の徹底的な品質チェックをうたった)」や「シンク・スモール(小さいことの良さを訴えた)」というすぐれたキャッチコピーの広告も手伝って、タイプ1は1971年まで年産100万台を数えた。

ビートル人気はとどまるところを知らず、映画「ラブ・バグ」も興行収入3900万ポンド(58億円)の大ヒットとなった。カリフォルニアをぶらぶら走り回るのにちょうどいい、小型で安価で信頼性の高いクルマをもとめるなら、この「バグ」はうってつけだったし、不幸な身の上話などもはや過去のものとなった。

そして後継として1998年にあらわれた「ニュー・ビートル」は、ダッシュボードに一輪挿しをそなえていた。いま乗っている3代目は2011年の登場で、めずらしいことに公式にも「フォルクスワーゲン・ビートル」とよばれる。そしてこれももう後継車のめどのないまま、消えていこうとしている。英国ではまだ新車が買えるし生産も来年まではつづくが、フォルクスワーゲンではもう注文を受けつけていない。

ということで、さいごにどこへ連れ出そうか? また、いま乗るとどんな感じだろうか?

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