なぜザガートのデザインに魅了されるのか 感銘を受けたダブルバブル・ルーフ コーチビルドの帝王【UK編集部コラム】
公開 : 2026.06.02 17:05
イタリアのコーチビルダーであるザガートは、アストン マーティン、フェラーリ、マセラティなど、美しいデザインを数多く手がけてきました。そのデザインの根底には、軽量化とモータースポーツでの機能性の追求があります。
根底に流れる「軽量化」の理念
11歳の時、筆者は幸運にも1961年式のアストン マーティンDB4 GTZ(グリーン)を実物で見る機会に恵まれた。それ以来、ザガートの天才的な才能に夢中になっている。
先に認めておくが、筆者は自動車デザインの奥深さについて長々と語れるほど詳しいわけではない。また、この話題はわたし達クルマ好きにとって、これ以上ないほど主観的(かつ意見が分かれる)ものであることも重々承知している。

だが筆者にとって、ザガートは自動車デザイン界で最も偉大な名であり、ピニンファリーナやベルトーネ、ジウジアーロといった他の巨匠たちをも凌駕する存在だ。
航空機設計者のウーゴ・ザガート氏によって1919年にミラノで設立されたコーチビルダーであり、創業当初から軽量構造をデザインの根底に取り入れていた。ザガートはその後数十年かけて発展してきたが、軽量化という核心的な理念は、常に作品に反映され続けている。
優美な曲線基調のボディ
時代が移り変わる中、ザガートの神聖なスケッチブックからは、実に息をのむような車両が次々と生み出された。特に1950年代から1960年代の黄金期の作品は、エレガントで優美な丸みを帯びたオーバーハングと、短いホイールベースを包み込むような曲線美あふれる流線型アルミボディを特徴としている。
小型で軽量なクルマは筆者にとって非常に魅力的だ(皮肉なことに、身長195cmの筆者が乗ればどれも滑稽に見えてしまうだろうが)。これが、ザガートを愛する根本的な理由の1つであり、そのデザインに対する大きな評価ポイントなのだ。

1954年式マセラティAG6/54ストラダーレGTザガートと、1963年式アルファ・ロメオTZ1は、その完璧な例である。まるで車軸の周りにぎゅっと凝縮されたかのように見えるが、それでもなお、見る者の心を震わせる、気取らないスタイルとバランスの取れた優雅さを兼ね備えている。
さらに、ザガートのデザインの多くは、モータースポーツでの機能性を追求したものである。同社の代名詞であり、最も特徴的な要素であるダブルバブル・ルーフは、低いルーフラインを維持しつつドライバーが被るヘルメットのスペースを確保するための手段として、1950年代初頭に考案された。その事実に筆者は感銘を受けている。素晴らしいことに、ダブルバブル・ルーフは採用されたどのクルマにも見事に映えている。










































