初代ホンダ・インサイトはなぜ英国で失敗したのか あらためて試乗

公開 : 2018.09.02 10:10

トヨタとは異なるシステム

ル・マンレーサーやフォーミュラ1のクルマにはよくある技術だが、小さなハッチバックではあまり見かけない。効率で劣るライバル、トヨタ・プリウスが内燃機関と電気モーターをプラネタリーギアで切り替えるのに対して、インサイトのエンジンは常に回っている。

ただし、当時は画期的だった(今では普通になった)ストップ/スタートシステムが稼働している時は除く。クルマが止まるとエンジンを切り、ギアが選択されると再スタートするシステムだ。

タクシーぐらいでしかハイブリッドの経験のないわれわれには、インサイトのようなパイオニアマシンの評価をするのは難しい。プロトタイプのような、未完成で実社会ではまだ使えないような曖昧模糊とした感じがするのだ。

なので、流線形をした魚のようなインサイトに触れて思いがけず親しみを感じ、実用的であることを発見した時は本当にびっくりした。未来的なJ-VXの面影が残るシートからオプションのエアコンが付いているところまで、すべては期待通りで仕上げも上等だ。

おそらく最大のショックはリアシートがないことだ。くさび形の流線形ボディとおよそ35kgのバッテリーパックを下に抱えるリアの狭いトランクスペースのためだ。しかし、この制約さえ除けば少なくとも表面上は他の小型ハッチバックとほとんど同じである。

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