試乗 アウディRS2/RS4 受け継がれる全知全能のパフォーマンス

公開 : 2018.10.08 13:10  更新 : 2021.10.13 15:26

想像以上の扱いやすさ

その後も彼の表情をうかがいながら、わたしは少しずつシフトアップ・ポイントを高めていった。4000rpm、4500rpm、そして5000rpm。過給圧の高いエンジン特有の、回転数を高めたときに急激にパワーが炸裂する反応をわたしは警戒していたのだが、少なくとも5000rpm+αではそのような事態には陥らず、あくまでもジェントルな反応に終始した。底知れぬパフォーマンスを備えながらも、折り目正しい姿勢は崩さない。短時間の試乗を通じて、わたしはRS2にそんな印象を抱いた。

しばらく走ると、例のお目付役が「それでは、次のラウンドアバウトでUターンでしましょう」と声を掛けてきたので、もと来た道を後戻りし、無事に試乗を終えたのである。

極めつけにハイパフォーマンスなのに、街乗りも難なくこなす快適性も備えている。RS2のそんなキャラクターは、実は最新のRSモデルにも共通するものだ。

いや、正直にいえば、数年前までのRSモデルはかなり過激で、乗り心地も決して優しいとはいえなかった。RS=Renn Sport(英語でRacing Sport)、つまりサーキット直系のモデルなのだからそれも当然かもしれないが、実はスパルタンな金属スプリング仕様しか用意されなかった日本向けのRS6やRS7とは異なり、欧州でラインナップされるエアサスペンション仕様は意外にもしなやかな足回りを備えていた。

記事に関わった人々

  • 大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。

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