90年代生まれ、いま手に入れるべきあのクルマ 定番から意外な選択まで その7

公開 : 2018.10.21 11:40

ルノー・クリオ172

1999年-2004年 価格:2200ポンド(33万円)

1990年代に登場した驚異のモデル、クリオ・ウィリアムズの再来を目指しているのなら、ほとんどミスすることは許されない。フレンチ・ホットハッチ好きには幸いなことに、2代目クリオをベースにルノースポールが創り出したのは、この点を十分踏まえ、可変バルブタイミング機構をもつ2.0ℓエンジンから172psを発揮するこのモデルだった。

わずか車重1035kgのクリオ172は、英国のB級路には十分過ぎるほどの活気に溢れていたが、もっとも印象に残ったのは極限状態でも運転の楽しさを味わわせてくれる一方で、過去の小型ホットハッチには欠けていたしなやかさを持つその軽快なシャシーだった。2002年に登場したカップシャシー仕様の172は、1021kgまで重量を削減するとともに、車高を下げて固められたサスペンションを備え、そのフロントとリアのバンパー形状も変更されていた。軽量化とサーキット走行に特化するため、エアコンとABSは撤去されていた。

いまでも172からは特別な印象を受けるが、これは一部アルカンターラ張りのシート(但し、そのポジションはやや高過ぎる)だけでなく、15インチのOZレーシング製アルミホイールや、魅力的なクリオのボディにやや好戦的な印象を与えるボディキットのせいでもある。だが、やはりこのクルマで印象的なのはそのドライビングであり、なぜこんなにも長い間、底値ともいえる状態が続いているのかが不思議でならない。

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