複雑すぎた迷機『8-6-4』から最新型コルベットまで ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジン(後編) 脈々と続く系譜
公開 : 2026.03.08 11:45
クルマ好きの心を揺さぶるV型8気筒の鼓動。本特集では米国を代表する自動車会社の1つ、ゼネラルモーターズがこれまで生産してきたすべてのV8エンジンを紹介しつつ、その栄光と苦難の歴史を振り返ります。
もくじ
ーキャデラック 8-6-4(1981年)
ーキャデラック・ハイテクノロジー(1982年)
ーデトロイト・ディーゼル V8(1982年)
ーシボレー・スモールブロック Mk2(1992年)
ーキャデラック・ノーススター(1993年)
ーオールズモビル・オーロラ(1995年)
ーシボレー・スモールブロック Mk3(1997年)
ーデュラマックスV8(2000年)
ーシボレー・スモールブロック Mk4(2004年)
ーシボレー・スモールブロック Mk5(2013年)
ーキャデラック・ブラックウィング(2018年)
ーシボレー LT6/LT7(2022年、2024年)
キャデラック 8-6-4(1981年)
『8-6-4』という名称は、その設計の特異性を示すものである。低燃費と低排出ガスを実現するため、この6.0L V8は、状況に応じて6気筒または4気筒での走行が可能だ。気筒休止システム自体は目新しいものではなく、1908年のユニークなシェブラー車では、V12エンジンのキャブレターを1基無効化することで直列6気筒として作動させることができる。
キャデラックが革新的だったのは電子制御システムを導入した点だが、当時のコンピューター処理能力では、この複雑な機構を的確に制御することは難しかった。キャデラックの販売店では、購入者に「道路脇でボンネットを開けたまま長時間立ち往生したくなければ、このシステムをオフにするように」と密かに助言していたという。エンジン・マネジメント・システムがこの種の課題にしっかり対応できるようになるのは、かなり後のことだ。

写真:1981年 キャデラック・セビル
キャデラック・ハイテクノロジー(1982年)
8-6-4エンジンの失敗により、キャデラックは新開発のV8エンジンの市場投入を計画より前倒しせざるを得なくなった。1982年時点で開発が不十分なまま投入された初代4.1L版『HT-4100』は、信頼性の低さで知られるようになり、今では8-6-4やオールズモビルのディーゼルと同類の扱いを受けている。
ハイテクノロジー(頭文字を取って「HT」)エンジンは後に改良され、まず4.5L、さらに4.9Lへと排気量が拡大され、初期のHT-4100よりもはるかに高い評判を得ている。

写真:1981年 キャデラック・フリートウッド
デトロイト・ディーゼル V8(1982年)
2ストロークエンジンで名を馳せていたデトロイト・ディーゼル社(当時GM傘下)は、1980年代初頭に6.2L V8を開発した。このV8は約10年後、ターボチャージャーを採用した6.5L版に置き換えられた。
このエンジンはまず、シボレーとGMCから販売されたC/Kピックアップトラック(写真)に搭載された。また、シボレー・サバーバンやハマーH1など、まったく異なるモデルにも搭載された。

シボレー・スモールブロック Mk2(1992年)
オリジナルのスモールブロックがまだ生産中だった頃、GMはほぼ完全に新しい後継機を導入した。1992年のシボレー・コルベットでデビューした5.7L V8は、当初最高出力300psと謳われた。4年後には330psバージョンが登場し、より経済的な4.3Lショートストローク版も存在する。
このスモールブロックは1997年に生産終了となったが、数多くのモデルに搭載されている。シボレーの複数モデル、ポンティアック・ファイヤーバード、ビュイック・ロードマスター、キャデラック・フリートウッドなどが挙げられる。

写真:シボレー・コルベット



























