消えゆくV8自然吸気 フォード・マスタングで味わう 楽しむなら今

公開 : 2018.11.03 11:40

ターボの登場 ますます希少に

だが、1966年の時点ではフェラーリにターボチャージャーは無かったのであり、現在ターボは自然吸気V8に替わる非常に効率的な選択肢であることを証明している。

クロスプレーン型クランクシャフトを採用するメルセデス・ベンツ製V8ターボのように、高い効率と見事なサウンドを響かせるエンジンも存在しており、客観的に見れば、ターボ過給無しの場合よりも優れたエンジンかも知れない。だが、マスタングに乗ってみれば、こうしたターボエンジンで失われたものを思い出すのに、それほど時間は掛からないはずだ


10年もすれば、自然吸気V8エンジンは希少な存在となるだろう。そして、通りを歩きながら、オンボロの8気筒モデルがそのエンジン音で空気を震わせるのを聞いて、「進歩」という名のもとに失われてしまった自動車の喜びを、悲しみとともに思い返すことになるのだ。

いまならまだ、本物のV8エンジンについての記事を書いたり読んだりすることはできる。だが、やはり自ら所有してみるに越したことはないだろう。

そろそろ、こんな原稿書きなど中断して、マスタングのエンジンに火を入れ、最後の咆哮を響かせるために走りだすことをお許し頂きたい。

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