試乗 レクサスES300h カムリとの価格差/「ミラーレス」を評価

公開 : 2018.11.27 10:10

Lは穏やか Fスポーツは?

乗り心地は穏やかさを旨としたもの。荒れた路面でも刺激的な振動は少ない。ピストン速度の影響を少なく安定した減衰力を発生する新開発のスウィングバルブダンパーの効果もあり、段差突き上げの衝撃も少なく、良路では浮ついた揺れの少ない乗り心地を示す。

比較的大きなストロークで揺れを吸収するわりに揺れ返しも少ない。車軸周りのわずかな揺れを感じるのが玉に瑕だが、柔らかさと据わりをうまく両立している。

快適性が持ち味だからといって操安が犠牲になっているわけでもない。高速や山岳路のハイアベ走行も得意である。キレのいい操舵感とか軽快さはないが、そういった操る手応えや大袈裟な反応を抑えて、狙った走行ラインに乗せていけるのがいい。路面のうねりや加減速による方向性の乱れも少なく、やや深めの舵角でラインを維持できる。この特性のお陰でセダン系でも大柄な車体寸法にも関わらず操舵に神経質にならずに済む。

AVSと硬めのサスチューンが施された足周りを採用するFスポーツも基本操縦性はバージョンLと変わらない。しかし、激しい加減速を伴うハードなコーナリングでの安定性とコントロール性は向上。標準サス仕様よりも一歩深いところまで付いてくるような感じである。

スポーツモデルとしては荒さのない乗り心地も好感が持てるが、コンフォートモードを選択しても乗り心地は標準サス車よりも硬く、ドライバー志向を強化した分だけ、4名で寛ぐ感覚は目減りしてしまう。

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