意匠と技術　★★★★★★★★☆☆

スティンガーにはみっつのグレードがあり、トップグレードは370psを発生する3.3ℓのツインターボV6エンジンを搭載したGT S。エントリーグレードには199psの2.2ℓディーゼルエンジンもあり、その中間に位置するのが、今回のロードテストに登場する2.0ℓの4気筒ガソリン・ターボエンジンを縦置きに搭載したGTラインS。このグレードには、T-Di（ターボチャージド・ガソリン・ダイレクト・インジェクション）と呼ばれる、キアのシータIIエンジン・ファミリーのひとつが搭載される。

最高出力247psを6200rpmで、最大トルク35.8kg-mを1400から3500rpmの間で発生させる。パワーは8速ATとリミテッドスリップデフを介して、後輪を駆動する。このご時世すっかり一般的となった、ダウンサイジング・ターボエンジンで、アクティブ・サウンドシステムと呼ばれる、4気筒エンジンのサウンドを拡張して車内に響かせる仕掛けも備えている。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式。ホイールは18インチで、タイヤは225/45 R18というサイズの、コンチスポーツ・コンタクト5を装着する。

今回のテスト車両、GTラインSは通常のパッシブタイプのダンパーだが、フラグシップ・グレードとなるGT Sには、アダプティブダンパーを装備。車内のドライブモード・セレクターから減衰力の変更が可能となる。

キアの全長は4830mmと大柄で、4733mmのアウディA5スポーツバックや、4640mmのBMW 4シリーズ・グランクーペなどよりも一回り大きい。このサイズにも関わらず、私感としてはドイツ製のサルーンよりもエレガントなスタイリグをまとっているように感じる。長いボンネットにホイールベース、なだらかに弧を描くルーフラインが、視覚を刺激してくる。そのアピアランスは英国で販売されているどんなキアのモデルとも異なり、かなり目を引く存在だと思う。特にフロントノーズにつけられた「KIA」のロゴマークを見たひとは、そのスタイリングに驚くだろう。

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