結論　★★★★★★★☆☆☆

いくつか弱点があったとしても、極めて有望で好感の持てる仕上がり

キアが新たに投入したスティンガーは、賞賛に値するクルマだといえる。後輪駆動のサルーンとして高く評価できるだけでなく、キアというブランド力を高めるという目的も果たせるに違いない。インテリアの質感ではアウディやBMWには及ばないことも確かながら、価格差が小さくないことは見逃せない事実。トランスミッションなど、パフォーマンス面では気になる部分もなくはないが、同価格帯のライバルを凌駕する最大出力と最大トルクを備えていることは、大きな誘引力になるはず。

快適性やクルマの挙動、充実した装備など、洗練されたグランドツアラーとして、スティンガーは平均点以上を獲得している。エグゼクティブ・サルーンという強豪揃いのセグメントに、経験値の少ないキアがモデルを投入するということは、かなり難しい課題だっただろう。満点は逃してはいるものの、われわれの近年のエグゼクティブサルーンのランキングで、トップ5に入る完成度を得ていることは、努力の賜物であり、その完成度の高さを裏付けている。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

エンジンサウンドを誇張するアクティブ・サウンドシステムは、想像したほどウンザリさせられるものではなかった。V6エンジンのものはいただけないが、2.0ℓターボの方は、大丈夫だ。

サイモン・デイビス

価格を考えると4気筒のスティンガーGTラインSも魅力的だが、もしわたしなら、少しお金を上乗せしてV6エンジンのGTを選ぶだろう。

オプション追加のアドバイス

標準のボディ色は、かなり派手な色調のサンセット・イエローとなる。落ち着いた色が希望なら、キアが設定した5色の中から選べるが、645ポンド（9万円）を支払う必要がある。

改善してほしいポイント

・よりシャープで精細なナビゲーションマップがほしい。アウディやBMWはいい線をいっている。
・トラクションコントロールとスタビリティコントロールのセッテングを見直してほしい。オフにするなら、完全に切られるべき。
・ATのマニュアルモードを固定できるようにしてほしい。すぐにATのDモードに戻ってしまう。

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