VWゴルフ M・ベンツCクラスで試す グランドツーリング・タイヤ

公開 : 2018.12.30 18:10

ロングドライブで重要なのは……

加減速、操舵をする度に、路面からタイヤには前後左右上下と力が加わる。これを往なしてトレッド面を適切に接地させるためタイヤは変形する。変形が大きければ遅れが出るし、元に戻る時には揺れ返しも出る。

応答遅れと揺れ返しを抑えると操縦感覚も挙動も落ち着くし、ラインコントロール性も向上する。もちろん、タイヤが受け持つ範疇なので、操縦特性は大きく変わらないが、ブルーアースGTは肌触りレベルでの雑味を取り除いてくれる。

しかも、タイトコーナーと高速コーナー、あるいは同じコーナーを速度を変えて走らせても反応や据わりが大きく変化しない。なかでも高速コーナリングでの負荷が抜けた時の揺れ返しの少なさは秀逸である。要するにワイドスイートスポット型なのだ。走行状況による操縦特性への影響は運転疲労や安心感に直結する。長距離走行では状況が変わっても馴染みよく安定した操縦感覚は絶対的なグリップ性能以上に重要である。

こういった特性なのでカテゴリーや車格に対して得手不得手がない。この試乗でもハイト系軽乗用から高速ツアラーとして定評のある欧州車、プレミアムサルーン等々を試してみたが、それぞれのクルマの基本特性の違いはあってもタイヤから受ける印象に違いはなかった。車種に対してもワイドスイートスポットなのである。

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