回顧録 1シリーズMクーペ vs ケイマンR 全く異なるキャラクター

公開 : 2019.01.26 07:10

動力性能は1Mが有利か

1Mクーペより1万2000ポンド(約160万円)ほど高価だが、われわれが今年試乗したなかで最も魅力的なハンドリングの持ち主である。BMWにとっては手強すぎる相手だが、アウディRS3と比較するよりもわれわれが欲しい答えが出るはず。第一義的には1Mクーペのハンドリング性能を見極めたいのだ。

まず手始めにスペックを見ると、すべてが1Mクーペに有利なように思える。僅かだがパワフルだし(ケイマンRの331psに対して340ps)、トルクはずっと大きい45.8kg-mで、オーバーブースト時は50.9kg-m。ケイマンRは37.6kg-mだ。

車重が200kgほど重いことを埋め合わせて、実際の路上での動力性能もライバルを少し凌ぐ。対するポルシェの武器は、専用のミドシッププラットホーム、標準装備のカーボンセラミックブレーキなど。しかし、ありとあらゆるものをぶち込んで開発されたBMW Mが、ハンドリングに関してもポルシェに負けている点は何もないように思われる。

ベースとなった135iに比べると、1Mクーペは大径のブレーキディスクを備え(フロントが360mm、リアが350mm)、トレッドが広く、地上高は低く、シャシーは遥かにアグレッシブなセッティングだ。そうはいってもケイマンRと横並びで眺めた第一印象は、見る人の視線を引くことを第一に考えたマッチョなスタイリングの派生車でしかない。

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