新型911カレラ4S vs ロータス・エヴォーラGT410スポーツ vs アウディR8 V10 比較試乗

公開 : 2019.04.07 11:50

多くの改良点

まずは、新型911の何が新しくなったのかを見てみよう。ボディに使用されるアルミニウムの量が増え、フロントオーバーハングが延長されている。前後フェンダーとともにトレッドも拡大され(ワイドボディが標準であり、カレラ2にもナローボディは設定されない)、異径ホイールに改良されたサスペンション、新型ダンパー、レシオを高めたステアリング、機電制御式ブレーキ、新強化エンジンマウント、大径ターボと燃料噴射システムなど、その変更点は多岐に渡る。

もし、新型911をすぐにでも手に入れたいのであれば、450psのパワーに8速ツインクラッチ・オートマティックギアボックスを組み合わせたカレラが唯一の選択肢となるが、それでもリア駆動か四輪駆動(新型クラッチを介して四輪を駆動させる)を選ぶことができ、さらに、ボディ形状もクーペかコンバーチブルが選択可能だ。

トルクベクタリング式電動リアディフェレンシャルロックとPASMアダプティブダンパーは標準となるが、車高を下げたサスペンションキットはオプション扱いだ。


56年の歴史を持ち、100万台以上の販売台数を誇るこのスポーツカーのアイコンでも、2019年の新型モデルらしく、四輪操舵とアクティブアンチロールバー、さらにはカーボンセラミックブレーキがオプション選択可能となっている(テスト車両のカレラ4Sには、この3つすべてに加え、PASMスポーツスプリングが組み込まれていた)。

さらに高価なプライスタグを掲げ、より特徴的なスペースフレーム構造と、ハンガリーのジュール工場で手作業で組み立てられる自然吸気V10エンジンを搭載しているにもかかわらず、アウディR8がスペック上で新型911を凌ぐことは難しいだろう。

乾燥重量1660kgと、R8は911に比べ100kgほど重く、パワーウェイトレシオでは大きく凌ぐものの、トルクウェイトレシオでは新型911にわずかながら及ばない。さらに、駆動するタイヤの数はポルシェと同じだが、ステアリングとサスペンションに使われている技術は最新のものではない。

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