初試乗 ジャガーFペースSVR V8スーパーチャージャー 遅れて現れたお手本

公開 : 2019.04.25 10:10

ハイパフォーマンスSUVのお手本

操縦性も良いいが、スピードを高めていくと、車重の重さが顔を見せ始めるようだ。だが、ハンドリングのレスポンスはどちらかといえば穏やかで漸進的なものだから、自然なフィーリングでクルマの状態もつかみやすい。さらに7万ポンド(1015万円)級のSUVに相応しい、快適な乗り心地も兼ね備えている点は、高く評価できるだろう。


加えてエンジンの輝きが眩しい。パワー感だけでなく、特徴の強い音響的な面でも、ターボ加給されるV8とは全く異なる引き込まれる魅力を備えている。回転数にシンクロするように発するエンジンノイズと、高回転域まで回した時の咆哮のバランスも素晴らしい。


69.2kg-mという極太のトルクは2500rpmから発生するから、一生懸命にアクセルを踏む必要も、変速に気をもむ必要もなく、一切不満のないスピードに乗ってFペースは突き進む。中回転域を保てば余裕もシャクシャクで、この手のハイパフォーマンスカーに期待する上質さも味わえる。


FペースSVRはスムーズにも、かなり活発にも、ドライバーの希望通りに走らせられる。それでもギアを2段ほど下げて、アクセルを踏み込んだ時の情熱的な振る舞いこそ、このクルマの真価が表れる時だと感じた。わたし個人の意見としては、多目的でありながら快適性も求めるドライバー視点で見た場合、ハイパフォーマンスSUVのお手本にもなり得る仕上がりだと思う。

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