日産マイクラDIG-Sテクナ

公開 : 2013.06.27 19:30  更新 : 2021.03.19 11:28

■どんなクルマ?

第4世代の日産マイクラ(日本名:マーチ)が、その発売から3年経ったミッドライフのフェイスリフトを受けた。ちなみに、英国にはインドで生産されるモデルがもたらされている。

エンジンは3気筒1.2ℓで、ノーマル・アスピレーション版が79bhp、DIG-Sに搭載されるスーパーチャージャー版が97bhpを発揮するが、それらに変更はない。今回のフェイスリフトは、エクステリアおよびインテリアの変更と装備に限られている。

そのフロント・グリルは、キャシュカイのようなV字型のクロームが日産のエンブレムを抱えるように変更されている。これまでは、どこのメーカーのクルマか不明な顔つきだったが、これで日産製だとわかるようになった。また、フロント・バンパーと低いエア・インテークも日産の標準的なものとなっている。

インテリアは、中級グレードのアセンタとトップ・グレードのテクナには、グロスブラックのセンター・コンソールと日産ノートのような空気吹き出し口、そしてエアコンのコントロールが採用された。また、ナビゲーションのためのディスプレイ・スクリーンも装備されるまた、インストルメントのグラフィックもシャープになり、ステアリング・ホイールは本革巻に、またその他の部分もクロームとシルバーの装飾が施されるようになった。

ただし、ベース・モデルであるヴィシアには、これらの装飾は付かず、昔ながらのシンプルなデザインとなる。

■どんな感じ?

DIG-Sテクナは、スエード・タッチのシート、キーレス・スタート・システム、6スピーカー日産マルチメディア・システム、電動可倒式ドア・ミラー、駐車補助装置、そして16インチ・アロイ・ホイール(アセンタは15インチ)が取り付けられていた。また、テスト車両には£500(7.5万円)のオプションとなるグラスルーフも装備されていた。

マイクラは、ユーロミニのメインストリームとなるモデルで、ライバルは最近メキメキと力をつけてきたヒュンダイi20やキア・リオとなる。マイクラはデザイン面では洗練されているとは言いがたいが、そのドライブ・フィーリングは予想を遥かに上回る。

タフでソリッドで、ガタガタすることもなく、ステアリングは正確でシャープ。路面の凹凸にもよく対処でき、すべての操作が適度な力で扱える。そのバランスの良さは、保守的なフランスのスーパーミニ、例えばプジョー205やオリジナルのルノー・クリオにも似る。

955kgと軽いボディには、このスーパーチャージャー付きのエンジンは充分で、タイムラグもない走りを楽しめる。その姿から想像するよりも遥かに活発なクルマだ。

唯一問題点があるとすれば、エンジンの回転落ちが遅いこと。それは迅速で円滑なシフトアップのチャンスを台無しにしてしまうものだ。

■「買い」か?

£9,950(148万円)からベースの1.2ℓモデルを購入することができる。今回試乗したDIG-Sテクナは£14,050(210万円)だ。もし、CVTを望むのであればこれに£1,000(15万円)がプラスされる。

DIG-Sの95g/kmというCO2排出量と、25.0km/ℓという燃費は非常に魅力だ。現実問題としても燃費は15.0km/ℓは確実にマークできる。

能力が高く面白いクルマではあるが、ただし、装飾が貧弱なベース・モデルであるヴィシアだけは選択肢から外すべきだろう。

(ジョン・シミスター)

日産マイクラDIG-Sテクナ

価格 £14,050(210万円)
最高速度 183km/h
0-96km/h加速 11.4秒
燃費 25.0km/ℓ
CO2排出量 95g/km
乾燥重量 955kg
エンジン 直列3気筒1198ccスーパーチャージャー
最高出力 97bhp/5600rpm
最大トルク 14.9kg-m/4400rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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