フォルクスワーゲンID.4 EVのSUVを展示中 2020年発売へ

公開 : 2019.09.11 11:40  更新 : 2021.02.02 18:48

フォルクスワーゲンはIDシリーズ2番目の市販車となる電動SUVのID.4をフランクフルトショーで展示しました。厳重なカモフラージュが施されており、その細部までは確認できないものの、以前展示されたID.CROZZコンセプトに近いデザインです。

2020年発売の電動SUV

フォルクスワーゲンは新しいID.4と呼ばれるSUVをフランクフルト・モーターショーで発表した。これは同社のEVラインナップ中2番目のモデルとなる。これはID.CROZZコンセプトをベースとする電動SUVで、2020年に発売される予定だ。

フランクフルトで展示されているID.4は、厳重なカモフラージュを施されてガラス製のボックス内に置かれている。同様の展示手法はID.3の発表でも用いられている。

フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ
フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ

フォルクスワーゲンはこのクルマの詳細をほとんど明かしていないが、これはまもなく市販されるID.3からの注目を逸らさないためとも考えられる。カモフラージュは施されているものの、2年以上前に初めて公開されたID.CROSZZコンセプトと共通のテーマが確認できる。

ID.CROZZの後継といえるモデルは2種類が投入される。コンセプトに近いクーペSUVと、今回のような古典的SUVだ。2017年のコンセプトとは異なり、コンベンショナルなリアドアが装備されているが、クーペ版ではどうなるか明らかになっていない。

ティグアンと並ぶ寸法 オフロードも

ID.4は欧州、米国、中国で生産され、真のグローバルモデルとしてフォルクスワーゲンのEVブランドとしての立ち位置を確立する。VWグループのハーバート・ディエス会長は2017年に「2020年までに、(年間)10万台のEV生産を目指しています。しかしそれは始まりにすぎません。2025年までにはその数値を10倍の年間100万台にまで増やします」と語っている。

フォルクスワーゲンは以前にはIDハッチバックやIDバズといったコンセプトを発表しており、これらは何らかの形で市販化されると見られている。ディエスによれば、EVのラインナップは従来の内燃機関やハイブリッドのモデルと並行して販売されるとのことだ。

フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ
フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ

ID.CROZZはスポーツカーらしさとともに、あらゆる地形に対応できるオフローダーとしての側面も持つ。車内空間はロングホイールベースのティグアン・オールスペースなどに匹敵し、荷室は515Lが確保されているとのことだ。

ID.CROZZコンセプトは全長4625mm、全幅1891mm、全高1609mmだ。これは5シーターのティグアンと7シーターのティグアン・オールスペースの中間の大きさであり、ホイールベースは2773mmとなる。

前後2モーター 航続距離500km以上か

MEBプラットフォームをベースとするID.CROZZは、オリジナルのコンセプトと同じく前軸と後軸に1基ずつのモーターを、フロアに83kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。フロントのモーターは102ps、14.2kg-mを発生、リアのモーターは204ps、31.5kg-mを発生する。システム総合出力は306ps、45.9kg-mだ。

これは後輪駆動のIDハッチバックと100ps程度の違いにすぎず、重量増を補う程度のものだろう。ID.CROZZは500km以上の航続距離を持つとされている。パフォーマンスについては詳細は明かされていないが、最高速度は180km/hに制限されるようだ。

フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ
フォルクスワーゲンID.4プロトタイプ

バッテリーがフロアの低い位置に搭載されることに加え、モーターも前後アクスルの内側に配置されている。これにより、前後重量配分は48:52とのことだ。

フォルクスワーゲンによれば、運動性能を確保するとともに、「ハンドリングと快適性の両立」が図られているという。そしてその走行も手動および自動のモードが用意されている。

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