大型ディーゼル・サルーンの実力は アウディS7 vs メルセデスCLS 400d vs アルピナD5 S 前編

公開 : 2019.10.19 09:50

ターボラグを電動SCがカバー

そのデザインについてはいずれもが抜きん出てはいない。CLSは洗練された4ドアクーペらしいスタイルだが、S7スポーツバックはエレガントさの中に巨大なグリルとディフューザーが迫力を付け加えている。一方のD5 Sはアルピナらしい空力パーツに加え、エグゾーストパイプはアウディとは異なり正真正銘の4本出しだ。

アウディの3.0L V6 TDIに話を移そう。このブロックはA7 50TDIのそれと共通だが、ピストンやコンロッド、それにクランクシャフトなどが改良されている。そして排気を利用する可変ジオメトリのターボに加え、電動のスーパーチャージャーも備えている。これが7万rpmまで即座に回転し、ターボラグをカバーしているのだ。

アルピナD5 S
アルピナD5 S

これは荷室下部に搭載されたリチウムイオンバッテリーからの電力による48Vシステムによって駆動され、低回転域での加速性能に貢献している。過去のV10は忘れよう。アウディのミディアムレアな4ドアはディーゼル・マイルドハイブリッドになったのだ。

そしてバッテリー駆動のオルタネータ/スターターがクランクシャフトに接続されている。これが減速中に電気エネルギーを回収し、その後V6を再始動するのに使われるのだ。12km/L近い燃費と350psのパワーを両立すると考えたら、素晴らしいことではないだろうか。

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