ロードテスト アウディS4 ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.09.28 11:50

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

アウディA4の幅広いラインナップは、モデルライフ中盤を迎え大幅な見直しを実行。S4 TDIを設定したほか、カンパニーカー需要の拡大も見込んで、ほとんどのエンジンに12Vマイルドハイブリッドシステムとの組み合わせを用意し、ディーゼルモデルには下位2機種を追加した。

今や、英国で販売されるA4は4気筒のみで、それより多くのピストンが欲しければ必然的にS4を選ぶこととなる。搭載するV6ディーゼルの排気量は従来型SQ5 TDIと同じ2967ccだが、ツインターボ過給の旧ユニットとの違いは明確だ。

六角形のシングルフレームグリルは、フェイスリフトでワイドになった。S4には、これまでの水平バーではなくハニカムメッシュを採用。上位グレードのS4ブラックエディションでは、これの色がチタニウムブラックとなる。
六角形のシングルフレームグリルは、フェイスリフトでワイドになった。S4には、これまでの水平バーではなくハニカムメッシュを採用。上位グレードのS4ブラックエディションでは、これの色がチタニウムブラックとなる。    OLGUN KORDAL

一般的な排気駆動式ターボチャージャーはシングルで、さらに電動コンプレッサーを1基装備。48V電装系も採用され、リチウムイオンバッテリーで駆動されるスターター兼ジェネレーターモーターは拡大された。

エンジン出力は347psで、パワーカーブはピーキーに見える。ありがたいことに、71.3kg-mの最大トルクは2500~3100rpmで発生されるので、全体的にはまちがいなくピーキーに感じられないはずだ。

新たな電装系とスターター/ジェネレーターはハイブリッドシステムのように、最大8kWのエネルギー回生を可能にし、WLTP混合モードで最高14.5km/Lの好燃費達成に貢献する。この数値がどれだけ実燃費に近いかは、その他のあらゆるパフォーマンスの数値と変わらず重要だ。無論、それもこのテストでは検証していく。

トランスミッションは、A4が7速DCTなのに対し、S4は8速ATを採用。これに、センターデフを用いたフルタイム4WDを組み合わせる。これを除けば、英国で販売されるA4の四輪駆動システムはすべて燃費重視のクラッチ式なので、現行モデルの真正クワトロ搭載車はブリテン諸島初上陸ということになる。なお、マーケットによって設定される45TDIはセンターデフ式4WDを用いている。

このほか、S4 TDIには電子制御スポーツLSDも用意される。ただし、搭載するのは最上級モデルのヴォルスプラング仕様のみ。その登場は年内を予定している。

今回のテスト車は、S4 TDIとしては標準仕様に当たるモデル。ただし、装備しているアダプティブスポーツサスペンションやクワトロスポーツデフ、マトリックスLEDヘッドライトはヴォルスプラング仕様に用意されるアイテムなので、走りはエントリーグレードよりフラッグシップモデルに近いものだということをお含みおきいただきたい。

また、英国仕様には用意されない可変レシオのダイナミックステアリングも装着。そのため、今回のハンドリングに関する評価はいつもよりザックリしたものになるかもしれないとお断りしておこう。

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