レストモッド 至高の3台対決 アルファ vs ポルシェ vs ジェンセン 後編

公開 : 2019.11.17 20:50

レストモッドと呼ばれる車両をご存知でしょうか。過去の名車と最新技術の融合によって生み出されたこうしたモデルでは、現代の路上で通用する十分なパフォーマンスと、古き良き時代のクラフツマンシップを同時に味わうことが出来ます。今回は至高の3台をご紹介します。

ポルシェ ライン選択は自由自在

インターセプターがその年齢を感じさせるのは思い切りスロットルを踏み込んだ時だけであり、その状態で素早くステアリングを切ると、このクルマはまるでボートのように大げさによろめいて見せる。

もちろん、よりシャープなドライビングを楽しみたければ、調整式ダンパーを締め上げるとともに、リアにオプションのアンチロールバーを設置することも可能だ。しかし、ウェールズからのロングドライブでは、ジェンセンのロングツーリング性能とレザー張りのインテリア、そしてエアーコンディショナーの魅力に抗うことはできなかったのも事実だった。

タットヒル・ポルシェ911
タットヒル・ポルシェ911

公道における動力性能でアルファとジェンセンの間に位置することとなったのが911だった。この車両が創り出された目的は、可能な限りの実用性を備えた扱いやすいモデルにするということだが(インテリアは見事な仕上がりだ)、だからと言って決して退屈だという訳ではない。

極太のタイヤとワイドなリアフェンダーがこの上ない安定感をもたらすが、かつての911のように道路の起伏に合わせてノーズを上下させながら、ステアリングは常にドライバーの手の中で身もだえしつつ、路面の状況を伝え続ける。

アルファ同様、そのボディは非常にコンパクトに感じられるお陰で、ラインの選択も自由自在であり、レーンを逸脱する心配などまったくない。強力なグリップによってフロントはドライバーの意のままに向きを変え、ステアリングは徐々に重みを増していく。

レトロモッド お望みのままに

だが、もっとも驚いたのは中速コーナーで意図的に姿勢を乱そうとしなければ、このクルマにはまったく粗野なところなど見られないことであり、この911は見事にコーナーをクリアしていく。さらに、ブレーキも超一流であり、強固なペダルとリニアなレスポンスはGTA-Rさえ凌ぐほどだった。

物足りない点があるとすれば、それはこのクルマのエンジンだ。このクルマの後ろでは素晴らしいサウンドを楽しむことができるが、200psに満たないそのパワーには力不足を感じざるを得ない。

アルファの4気筒2.3Lエンジンは243psを発揮する。
アルファの4気筒2.3Lエンジンは243psを発揮する。

サーキットであれば、レッドライン近くまでエンジンを回すことでそうした不満も多少は改善されるかも知れないが、公道での低速からのレスポンスは決して力強いとは言えない一方で、時にむずかるような仕草を見せ、ヘアピンコーナーではアルファやジェンセンに簡単に引き離されてしまう。

だが、当然ながらエンジンに手を加えることで、力強さと扱いやすさを両立させることは可能であり、まさにそれこそがこの車両で次にやるべきことだろう。

そして、それがレストモッドの魅力でもある。基本的にベースとなる車両は真っ白なキャンバスのようなものであり、限界は想像力とセンス、そして予算だけだ。

もっとシャープなジェンセンが欲しい? まったく問題ない。

よりクイックで機動力に優れた911? もちろんだ。

エアコン付きのアルファ? 最高だろう。

ジェームス・ディスデール

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