最高のAMG GT メルセデスAMG GT R プロに試乗 さらなる高みも目指せる

公開 : 2019.11.30 09:50

サーキット前提のシャシーセッティングを受けたメルセデスAMG製スポーツカー、GT R プロ。ポルシェGT3 RSの領域にまでは届かずとも、一般道での走りやすさや楽しさは、しっかり残っています。英国の道で評価しました。

もくじ

ポルシェGT3 RSやフェラーリ・ピスタに並べるのか
サスペンションやボディを重点的に改良
ドラマチックさを楽しめるV8
違和感の残るハンドリング
メルセデスAMG GTとしては最高のでき
メルセデスAMG GT R プロのスペック

ポルシェGT3 RSやフェラーリ・ピスタに並べるのか

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデスAMGのスーパースポーツカーのトップに位置するモデルがGT R プロ。FRの2シーターをハードコアな仕様にアップグレードし、フェラーリ・ピスタやマクラーレン・ロングテール、ポルシェGT3 RSなどを検討するドライバーの候補に加えたい考えだ。

正直、メルセデスAMG GTは、ダイナミクス性能でライバルに並ぶ充分なポテンシャルを備えていなかったことを考えると、かなり高い野望に思える。これまでのメルセデスAMGのモデルで唯一、肩を並べたと思えたクルマはSLSのブラックシリーズくらい。

メルセデスAMG GT R プロ
メルセデスAMG GT R プロ

メルセデスAMGのトップ、トビアス・ムアースは、ポルシェにできることがアッファルターバッハの自社にできないわけがない、と考えているに違いない。君臨するポルシェの座を奪うまで、ムアースが満足することはないはずだ。

一方で、メルセデス・ベンツに詳しい人物によれば、GT R プロは究極のGTというわけでもないようだ。GTのモデル末期を飾るブラックシリーズに通じる、一種の特別仕様らしい。スペック上はサーキット仕様としてかなり手が加えられているが、実際はどの程度の仕上りなのか気になるところ。

動力系統は基本的にGT Rと同じ。V8ターボエンジンの最高出力は585ps。トランスアクスルの7速デュアルクラッチ・オートマティック(DCT)を介して後輪を駆動する。GT Rに標準装備される4輪操舵システムは残されている。トラクションコントロールには10段階の設定があり、ドライバーの好みでドリフトアングルの許容値も調整できる。

サスペンションやボディを重点的に改良

シャシーやサスペンションの変更点は多い。コイルオーバーのサスペンションは最上級のもので、スプリングのプリロードやアンチロール剛性、高速側と低速側のダンパーの減衰力も調整が可能。

ロールケージもシート背後に装備。カーボンファイバー製のアンダーボディ・ブレースとともにボディ剛性を高めている。リアサスペンションは完全にリジッドマウントされる。

メルセデスAMG GT R プロ
メルセデスAMG GT R プロ

英国の郊外の道では悲惨な乗り心地を想像するかもしれない。しかしそんなことはなかった。今回の試乗ではGT Rプロをサーキットで走れなかったから、調整可能なサスペンションの振り幅も確かめられなかった。減衰力の調整ノブは手が届くところに付いているが、スプリングのプリロード量やアンチロール剛性は、ホイールを外さないと変えられない。

試乗車の設定はちょうど中間くらいで、硬さと柔らかさを程々に感じられるところ。日常的に走らせたいと思える味付けだった。標準のGTより硬く衝撃も伝わてくるが、バンプを超えても落ち着きが保たれている。

乗り心地としては騒がしく引き締まっているが、充分に煮詰められたもの。ポルシェRSやサーキット向けのロータスにも似た印象だ。キャッツアイや鋭い隆起部分では衝撃が入ってくるし、低速域では細かい振動が絶えない。だが、総体とすれば快適と呼べる範囲だと思う。

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