【オフロードも想定以上】アストン マーティンDBXプロトタイプ 英国での評価

2020.01.23

サマリー

あえてクラス最大・最速は狙わなかった、アストン マーティンのSUV。かわりに獲得した英国車的個性で、優れた成功を収める可能性は充分にありそうです。量産間際のDBXプロトタイプを、テストコースで英国編集部が試乗しました。

もくじ

ダートで楽しむパワースライド
ぬかるんだ急斜面や砂地でも余裕
オフロードでも快適な乗り心地を維持
開発チーム想定以上の悪路性能
アストン マーティンDBXプロトタイプのスペック

ダートで楽しむパワースライド

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)/Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国西部、マーサー・ティドビルの近郊にあるウォルターズ・アリーナには、オフロードコースが整備されている。アストン マーティンDBXプロトタイプの試乗では、湿った砂利道や泥炭地、岩場や沼地の走破性を確かめる機会も与えられた。

オプションを付ければ20万ポンド(2840万円)に届こうという高級SUVのオーナーが、これほど過酷な環境にいどむことは殆どないはず。だが、すべての場面でとても巧みに対応できていた。

アストン マーティンDBXプロトタイ
アストン マーティンDBXプロトタイ

DBXに採用されているエアサスペンションとアクティブ・アンチロールバーは、シャシー性能を高める上で重要な役割を果たす。スポーツ+モードを選びコーナーへ侵入すれば、クルマは水平を保ち、スムーズに旋回していく。では砂利道ではどうだろう。

アストン マーティンで開発を率いたマット・ベッカーの説明に従って、幅広い砂利道のコーナーへ、3速のスピードで侵入する。アクセルペダルを少し踏んだまま、コーナーの頂点めがけてフロントの向きを変える。リアタイヤはロール剛性のピークに達し、リアの支点が優しく外側に膨らむのがわかる。

コーナー中程でのハンドリングは、スロットルがオンの状態より、オフの方が優れている。ドライブトレインが、中立的な姿勢維持を容易にしてくれている。だとしても、パワースライドがとても楽しい。

深いドリフトアングルを保てる以上のパワーがあるから、直線ではエンジンは力強くDBXを引っ張っていく。

ぬかるんだ急斜面や砂地でも余裕

速度域をぐっと落とせば、深度500mmまでの深さで水遊びもできる。オフロード・モードを選ぶと、アクセルペダルの踏み込み量に対するマッピングがより漸進的になり、水の底に小さな岩が転がっていても、低速を保ちながら簡単に走破できる。

試乗車には22インチのホイールに、オールシーズン・タイヤを履いていたが、ぬかるんだ急な斜面でも牽引力は力強いものだった。急な下り斜面では、標準装備されるヒルディセント・コントロールが、適切な速度を維持してくれる。

アストン マーティンDBXプロトタイ
アストン マーティンDBXプロトタイ

ちなみにDBXには、スタッドレスや高性能オンロード用タイヤも選択ができる。

英国での試乗とは別の日に、アフリカ・オマーンの砂漠にDBXで挑む機会もあった。英国で試乗したDBXプロトタイプと同じ内容のクルマで、100km以上の砂地と砂利道を走らせてくれると聞き、12月に飛行機に飛び乗った。

舗装路では、DBXのリアよりのトルク配分は、高速域でのみ明確に感じ取れる程度。だが道を外れ砂地へ入れば、鮮明にわかるようになる。

標準設定のGTモードでのままも、多くのトルクがリアタイヤへ伝わっていることは明らか。電子制御されるディファレンシャルが、コーナー外側のタイヤの回転速度を高めている。長く続く高速コーナーでは結果は穏やかだが、クルマが保とうとする進行方向で、機能していることが体感できる。

 
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