開発の根底は「スタンダードの象徴」 新型『ホンダCR-V』デザイン担当が語る、走りやすさの作り方

公開 : 2026.02.26 11:10

2月26日、ホンダは6代目となる新型CR-Vの日本発売を開始しました。エクステリアとインテリアデザイン担当者に、そのポイントなどを内田俊一が聞きます。両者が机を並べて仕事をする、珍しいスタイルをとったそうです。

ボディ全体のボリュームをコントロール

本田技研工業(以下ホンダ)は6代目『CR-V』の日本導入を開始した。そのデザインは、安心、快適でありつつ使い勝手のいいパッケージを念頭に、スポーティで機能的なデザインに仕上がっているという。そこで内外装のデザイナーに、そのポイントなどを聞いた。

エクステリアデザインを担当した佐藤淳之介さんは、「アメリカでリサーチしたところ、CR-Vはコンバースやリーバイスのデニムのような、スタンダードの象徴であるように感じられました」と話し、それがデザイン開発の根底になっているという。

日本導入開始された6代目となる新型ホンダCR-Vのデザインスケッチ。
日本導入開始された6代目となる新型ホンダCR-Vのデザインスケッチ。    本田技研工業

「あまり華美な装飾があるものは作りたくない」との思いから、5代目のフロントグリルにあったメッキのバーなども廃し、ボディ全体のボリュームコントロールだけで強さを出せるようにしていった。

一方でCR-Vは中国市場にも投入するが、そこではアメリカとは違い、誇らしく、近所の人や親にもアピールできるクルマであり、自分を表現するものでもあった。

「その部分にもミートしないといけませんが、いろいろなものを目立たせるためにネックレスやピアスをつけていくのは自分の性分でもないし、CR-Vらしくもない。そこでどこにこだわるか、削れるところはどこかを吟味。ボリュームをコントロールしつつ、CR-Vのアイコンである縦のリアコンビなどを採用しながらデザインしました」

もうひとつ、佐藤さん曰く、自身は運転が得意なわけではないので、先代は運転がしにくくて白線に対してまっすぐに止められなかったという。

そこで「ウェッジシェイプでフェンダーをモリッと出してという不自然な造形」より、「運転しやすい形、水平基調や、爽快で水平に広がる視界」を追求。「機能美のようなものがCR-Vらしさではないか」という思いでデザインに取り組んでいった。

エクステリアとインテリアデザイナーが机を並べて仕事

ホンダがCR-Vをデザインするにあたり、通常とは違うやり方で取り組んだことがある。それは、本来離れているエクステリアとインテリアデザイナーが、机を並べて仕事をしたそう。しかも、それぞれがそれぞれのデザインに口出しをすることを良しとした。

なぜそうしたのか。それは視界性能を確保するためだった。

6代目ホンダCR-Vのエクステリアデザインを担当した佐藤淳之介さん。
6代目ホンダCR-Vのエクステリアデザインを担当した佐藤淳之介さん。    内田俊一

インテリアのクレーモデルを作る際、通常はAピラーあたりで途切れるが、CR-Vの場合はボンネットまで作り込んだ。そうしてシートに座りどう見えるのか、どうしたら運転がしやすくなるのかを内外合わせて突き詰めていったという。

エクステリアでは、室内から見た時に、自分の走っていく方向が真っ直ぐになるようにテープを貼りながらボンネット上のラインを決め、ボンネットの端のラインはタイヤの直上にピークが見えるようにポイントを置いて線を作っていった。

そのうえで、ボンネットからフェンダーへの面構成を吟味。光の陰影を上手くとらえた造形に仕上げていったそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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