【幻のセレニッシマ】3Lプロトがオークションに 億超えの落札も、伸び悩んだワケは? アールキュリアル・レトロモビル・セール

公開 : 2020.03.06 18:25  更新 : 2021.10.11 09:29

1億890万円で落札

オークションを終えてみれば、昨年のスパイダーのように大化けすることはなく、最終的に89万9960ユーロ(1億890万円)で落札されることになった。

純レーシング・マシンということから購入する層が限られてしまうためと、ヒストリー的にちょっと弱く、スタイリングも足を引っ張ったようだ。

リア・エンドにはイタリアーノ・トリコローレのストライプが配され、イタリアのマシンであることを主張する。
リア・エンドにはイタリアーノ・トリコローレのストライプが配され、イタリアのマシンであることを主張する。

もしオリジナルのスタイリングで出品されていれば、もっと入札が伸びたに違いない。ともあれ、ヴォルピ伯爵の遺産はこだわりのメカニズムにふさわしい正当な評価がなされたといえる。

これからは仕舞い込まれることなく、ヒストリックカー・レースでその姿が見られることを期待したい。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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