自由なライフスタイルを実現してくれる

トランスミッションは7速デュアルクラッチATだが、変速マナーも素晴らしい。発進時のつながりは、もう少し繊細な方が筆者好みではある。ハーフスロットル程度でも、フロントタイヤをスピンさせるほどの勢いがある。

ハンドリングも車高の高いクルマとして考えれば、期待以上。電動パワーステアリングは精度が高く、狭い道でも大きなボディを正確に走らせられる。グリップ力は高く、ボディロール量もしっかり抑制が効いている。

一方で、乗り心地はフォルクスワーゲン製モデルの期待値には届かない。吸収しきれない鋭い振動が、車内を震わせてしまう。

大きなSUVが、ここ数年で特に注力してきた部分の1つが、乗り心地。BMW X7などは、高級なリムジンのようなしなやかさを獲得している。この乗り心地が、カラベルを選ぶかどうかのカギでもある。

華やかな7シーターのSUVが豊富に選べる2020年。カラベルは説得力のある選択肢といえるのか。少なくとも筆者にとっては、イエス。

近年、7シーターのSUVは一気にラグジュアリーさを高めてきた。走りはシャープになり、注目度も高い。

しかしカラベルなら、車内での食事だけでなく、車中泊もでき、移動するリビングやオフィスとしても使える。すべてを叶えてくれる1台を求めるのなら、SUVでは不十分だ。

フォルクスワーゲン・カラベルこそ、究極に自由なライフスタイルを実現できるクルマだといえる。これからも、多くの人に選ばれるモデルであり続けるだろう。

フォルクスワーゲン・カラベル2.0 TDI 199エグゼクティブ（英国仕様）のスペック

価格：5万4336ポンド（717万円）
全長：4904mm
全幅：1904mm
全高：1990mm
最高速度：199km/h
0-100km/h加速：10.1秒
燃費：−
CO2排出量：−
乾燥重量：2403kg
パワートレイン：直列4気筒1968ccツインターボチャージャー
使用燃料：軽油
最高出力：198ps/3800-4000rpm
最大トルク：45.8kg-m/1400-2400rpm
ギアボックス：7速デュアルクラッチ・オートマティック

画像　カラベルかVクラスか　C4ピカソも　全87枚