【タフトのマルとバツ】新型タフト、重要な荷室&シートアレンジが不満!? 充実装備はマル

公開 : 2020.06.19 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

新型ダイハツ・タフトのいいところ、わるいところを、渡辺陽一郎が考えました。スカイフィールトップなど充実した装備や、新規格ゆえの最低地上高の高さは好評価です。どんな人にマッチするクルマであるか考えます。

タフトのマル 各種の装備を充実

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

タフトの一番のメリットは、価格の割に各種の装備を充実させたことだ。

最もわかりやすいセールスポイントは、ガラスルーフのスカイフィールトップをX、G、Gターボの全グレードに標準装着したことだろう。

新型ダイハツ・タフト
新型ダイハツ・タフト    ダイハツ

スーパーUV&IRカット機能も備わる。

全車に標準装着した背景にはコスト低減もある。オプション設定では非装着車も用意するから、2種類のルーフが必要だ。

開発と製造の両面でコストが高まり、オプション価格は6〜10万円に達する。その点で全車に標準装着すれば、量産効果で割安に装着できる。

前輪駆動の2WD・Xは、スカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、衝突被害軽減ブレーキ、バックカメラなどを標準装着して、価格を135万3000円に抑えた。

進化した衝突被害軽減ブレーキも注目される。2個のカメラセンサーを刷新して、衝突被害軽減ブレーキの作動速度を高め、夜間の歩行者検知も可能にした。

ペダルの踏み間違い事故を防ぐ誤発進抑制機能は、前後両方向に対応してブレーキ制御も可能だ。

車線逸脱時には、警報だけでなくパワーステアリングを制御して逸脱を抑える効果も発揮され、白線のない道路でも機能する。

GとGターボにはアダプティブドライビングビームも採用され、ハイビームで走行中に対向車や先行車を検知すると、複数装着されたLEDのいくつかを遮光する。

ハイビーム状態を保ちながら、相手車両の眩惑を抑えることも可能だ。

パーキングブレーキは全車に電動式が備わりスイッチで操作できる。車間距離を自動制御可能な全車速追従型クルーズコントロールも採用した。

追従走行中に速度が下がって停車時間が長引いた時は、電動パーキングブレーキを自動的に作動させて追従停車を続けられる。

タフトのマル 最低地上高にも余裕

エンジンはノーマルタイプとターボを用意しており、実用回転域の駆動力を高めて燃費効率も追求した。

WLTCモード燃費は、2WDで見るとノーマルエンジンが20.5km/L、ターボは20.2km/Lだ。

タフトのプラットフォームはDNGAの考え方に基づくタイプで設計が新しい。最低地上高は本格的なオフロードSUV並みの190mmを確保。
タフトのプラットフォームはDNGAの考え方に基づくタイプで設計が新しい。最低地上高は本格的なオフロードSUV並みの190mmを確保。    ダイハツ

ターボのCVT(無段変速AT)はD-CVTと呼ばれるギア駆動を併用するタイプで、駆動力の伝達効率を高めた。

そのために通常の加速力に影響する最大トルクは、ノーマルエンジンの1.7倍に相当する10.2kg-m/3600rpmだが、燃費数値はほとんど悪化しない。ターボ+D-CVTは効率が高い。

プラットフォームもタントと同じくDNGAの考え方に基づくタイプで設計が新しい。

最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は、本格的なオフロードSUV並みの190mmを確保した。

悪路のデコボコを乗り越えやすく、駐車場と車道の間にある大きな段差を通過する時も、下まわりを擦りにくい。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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