【勝負のわかれ目】ホンダCR-Vとトヨタ・ハリアー 大差のワケ 売れるSUVの条件は?

公開 : 2020.07.02 05:50  更新 : 2021.10.22 10:15

ハリアーは先代型のモデル末期に1か月平均で1900台売れました。いっぽうCR-Vは2018年の登場で450台。ユーザーの望み、外観/内装の使い勝手の違い、市場の違い。4つの観点で大差の理由を探ります。

CR-V、フル刷新前のハリアーの違い

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

最近はSUVの人気が高いが、すべての車種が好調に売れているわけではない。SUVにも人気車と不人気車が存在する。

どんなクルマが人気で、どんなクルマが不人気なのか? 人気車と不人気車について考えたい。

ホンダCR-V
ホンダCR-V    ホンダ

好調に売れるSUVの新型車は、2020年6月17日にフルモデルチェンジを受けたトヨタ・ハリアーだ。

新型ハリアーの売れ行きはまだわからないが、先代ハリアーの2020年1〜5月における登録台数は、1か月平均で約1900台であった。

コロナ禍の影響で4月/5月が落ち込んだことを考えると、2013年に登場したフルモデルチェンジ直前の車種ながら、堅調に売れている。

ハリアーのライバル車となるホンダCR-Vは、2020年1〜5月の1か月平均の登録台数が約450台に留まった。先代ハリアーの登場が2013年と古いのに対して、CR-Vは2018年と新しいが、売れ行きは低迷する。

ちなみに現行CR-Vが2018年8月に発表された時(納車を伴う発売は2018年11月)、ホンダは1か月当たりの販売計画を1200台と公表していた。

翌年の2019年は、月販平均が1000台少々だから、CR-Vは発売直後から目標を達成できなかったことになる。

ハリアー/CR-V 共通点が多い

ハリアーとCR-Vには共通点が多い。

全長は新型ハリアーが4740mm、CR-Vは4605mmで差が付くが、全幅の1855mmは両車とも同じ数値だ。全高やホイールベース(前輪と後輪の間隔)も似ている。

トヨタ・ハリアー
トヨタ・ハリアー    トヨタ

エンジンは新型ハリアーが直列4気筒2Lノーマルタイプと、2.5Lハイブリッドを用意した。

CR-Vは1.5Lターボと2Lのe:HEV(ハイブリッド)になる。ハイブリッド同士を比べると、CR-Vが少しパワフルながらも動力性能は近い。

ハイブリッドのWLTCモード燃費は、前輪駆動の2WDで見るとハリアーが22.3km/L、CR-Vは21.2km/Lだ。この数値も似ている。

価格はハリアーで売れ筋のハイブリッド2WD・Gが400万円、CR-Vのe:HEV・2WD・EXは392万5900円で、この設定もほぼ同じだ。

安全装備は、両車とも衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を充実させた。

CR-Vにはハリアーが6万8200円でオプション設定するリア・クロストラフィック・オートブレーキなどが標準装着され、ハリアーにはCR-Vのマスターピースでないと付けられないリアゲートの電動機能がGグレードにも標準装着される。装備の水準もかなり近い。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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