【RAV4派も唸る】新型ハリアー試乗 ガソリン/ハイブリッド比較 走りの評価は?

公開 : 2020.07.13 06:50  更新 : 2021.12.28 00:04

「トヨタ・ハリアー新型」を、公道で試乗。価格帯にして、422万円~452万円の内燃/HVモデルをレポートします。TNGAを採用した2020年の注目SUV。そのハンドリング、乗り心地の評価は?

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

日本のSUV市場は「パジェロブーム」から始まるのだが、クロカン趣味に奔るならともかく、ファミリー&レジャー用途向けのファーストカーとしてはあまりに非効率。

乗用車の1ジャンルとして市場に認知されたとはいえ、基本的には特別な趣味の人のクルマというポジションに収まってしまう。

トヨタ・ハリアーZレザーパッケージ(ガソリン/FF/プレシャスブラックパール)。
トヨタハリアーZレザーパッケージ(ガソリン/FF/プレシャスブラックパール)。    前田恵介

しかし、アウトドア趣味に目覚めたユーザーにすれば、ファーストカー用途にも対応できるウェルバランスと悪路踏破性の両立を望むのも当然である。

そういった要求に対応した「一般乗用車の設計」から派生したSUVは1980年代からぽつぽつと登場しているが、市場認知を一気に加速させたのが「ハリアー」である。

もっとも、初代ハリアーのコンセプトは近年では標準であり、SUVが多様化を進める中でハリアー自身も立ち位置を換えている。先代ではスペシャリティ志向を強化し、スラントノーズのフロントマスクなどアウトドア趣味のSUVとは趣の異なるモデルとなった。

新型は先代の基本コンセプトを踏襲。オフロードどころかラフロードも出てこないカタログを見ても、そのコンセプトが推し量れるだろう。

ただし、ハードウェア面では悪路走行に定評のあるRAV4と姉妹車となる。

RAV4とどう違う? 最低地上高/4WD

相変わらずSUVとは思えないフロントオーバーハングだが、最低地上高はRAV4と同等となった(ハリアー内燃車:195mm/ハイブリッド車190mm)。

今回の試乗では悪路走行を試すことはできなかったが、プレミアム&スペシャリティ志向のSUVにしてはラフロード対応力は高いと思われる。

トヨタ・ハリアーZ(ハイブリッド/FF/ストレートグレーメタリック)の前席内装。
トヨタ・ハリアーZ(ハイブリッド/FF/ストレートグレーメタリック)の前席内装。    前田恵介

なお4WDシステムは、ガソリン車が電子制御カップリングで、後輪への駆動伝達を制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」。ハイブリッド車が、独立した電動後輪駆動系を用いた「E-Four(Eフォー)」を採用。

RAV4のアドベンチャー、G Zパッケージに装備された「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は採用されていない。悪路踏破性がハリアーとRAV4の立ち位置の違いとなるのは、従来車と変わらないのだ。

また、ハリアーは全グレードで2WDと4WDが設定されるが、RAV4の2WD車は各パワートレインのベーシックグレードのみの設定。

内外装の雰囲気を楽しむ、上級ワゴンとして選ぶ等々で、ハリアーにとって悪路踏破は主たるセールスポイントではないと考えていい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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