【最先端のテクノロジー】新型メルセデス・ベンツSクラス、欧州で発売 価格は?

公開 : 2020.09.27 21:10

開発者インタビュー ―Sクラスの先進性―

AUTOCARの英国編集部は、研究開発と調達、サプライヤー品質を取りまとめるマーカス・シェーファーへインタビューを行った。

Sクラスを「今までに作った中で最も先進的なクルマ」と表現されていますね。しかし、最近は小型車にもテクノロジーは溢れています。高級セダン市場が縮小していく中で、どうやってSクラスを差別化し、存在感を維持していくのでしょうか?

Sクラスは、モデル末期まで非常に強力な存在でしたが、小型車にも搭載されているMBUXがありませんでした。しかし、Sクラスには非常に忠実な顧客基盤があります。

メルセデス・ベンツSクラス
メルセデス・ベンツSクラス    メルセデス

わたし達は非常に自信を持っています。このクルマにはたくさんのイノベーションがある。Sクラスといえば「インテリジェントな高級車」というベンチマークを定義しています。

直感的に使えるようにあらゆる角度から取り組んでいます。クルマがあなた(ドライバー)を認識して、あなたに合わせて調整してくれるようにしたいと考えています。

クルマに近づくとドアハンドルが飛び出し、以前のログイン記録から、クルマはあなたを認識します。車内のジェスチャーセンサーとカメラは、あなたが何をしようとしているかを事前に予測することができます。

また、UIや画面だけでなく、車載システムもOTAに対応しています。車内のコンピューティング容量も十分にあるので、今後のアップデートにも対応しています。

これは最先端の技術であり、正直に言うと規制当局と手を取り合って取り組んでいます。わたし達は、国によっては認証するための規制がない場合もあるほど、先進的な技術を持っています。

デジタルライトを例にとると、このライトは260万ピクセルの性能を発揮します。ガレージで映画を再生することもできます。

そのため、一部の国の当局と協力して、これを機能させるために活動しています。ドイツは非常に先進的なアプローチをとっていますので、ドイツでは合法ですが、他の国では違います。

レベル3の自動運転についても同様で、来年後半にはドイツでも実用化される予定です。1台のクルマに複数の機能を搭載しているメーカーもありますが、このクルマはすべての機能を1か所に搭載しているという点がユニークです。

開発者インタビュー ―クーペ廃止の理由―

ガソリン・プラグインのSクラスは、クラストップレベルの航続距離を実現することがわかっています。ディーゼル・プラグインは予定されていますか?

Sクラスにはディーゼル・プラグインは予定されていません。ただ、GLEEクラスには搭載されています。Sクラスの主要市場は中国、韓国、米国で、欧州が主流というわけではありません。これらの国では、ディーゼルが一番の選択肢とはなっていません。

すでに発表しているように、SクラスとしてEQSが登場する予定です。それはわたし達が取り組んでいる次のドライブトレインです。わたし達は複雑さをある程度制御し、選択をしなければなりません。

Sクラス・クーペとカブリオレが継承されない理由を詳しく教えてください。

メルセデス・ベンツSクラス
メルセデス・ベンツSクラス    メルセデス

さかのぼること15年前、わたし達は拡大戦略を取っていて、毎年300万台を作ろうとしていました。中国などの異なる市場を征服したかったのです。

その後、パワートレインの変革に直面してプラグインを追加し、今ではEVパワートレインを作っています。ある時点で複雑さを軽減する必要がありますので、少しずつ「淘汰」していくつもりです。

クーペとカブリオレは素晴らしいクルマですが、いずれにせよ、それに取って代わるものが出てくると思います。新しいSLを見れば、Sクラス・カブリオレの顧客の多くが興味を持つと思います。

カブリオレは中国向けのものではなく、アメリカではもうそれほど強くないので、選択をしなければなりません。Sクラスはショート、ロング(ホイールベース)、マイバッハがあり、ロングバージョンとの差別化が図られるでしょう。しかし、SLのようにしばらく注目していなかったアイコンもあります。

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