【ラリーウエポン5台揃い踏み】フォード・エスコート ツインカムからRSコスワースまで 中編

公開 : 2020.12.26 20:25  更新 : 2021.05.18 16:15

エスコートと切れない関係のRS

増えたパワーを受け止めるべく、フォード・シエラ用のタイプ9と呼ばれるトランスミッションを結合。快適なクルージングに備えて、ハイギアードな5速目も追加してある。

かといって、穏やかにクルージングを楽しめるタイプではない。BDAは、高回転まで周りたがるツインカム・ユニットだ。アクセルペダルは、エンジンに合わせて正しく踏んであげるのが正解。

フォード・エスコートRS 1600i(1981〜1983年)
フォード・エスコートRS 1600i(1981〜1983年)

2代目エスコートRS 1800が輝き出すのは、右足を深く蹴り出した時。特徴的なサウンドが、回転数の高まりとともにボリュームを上げる。ウェールズの森に、ストレートパイプからの咆哮が放たれた。

フォードがラリー選手権から引退した翌年、Mk2の最後がフォードの工場を後にした。1980年、エスコートはモータースポーツとの結びつきを、一旦閉じる。しかしラリー・スポーツ、RSというグレードは、エスコートと切り離せないものになっていた。

1980年にFFとなった3代目が登場すると、翌1981年にはRS 1600iが登場。多くの人の期待に応えた。ラリー・ホモロゲーション獲得のために開発され、販売台数は5000台に設定。需要はそれ以上で、1983年7月の生産終了までに8659台がオーナーへと渡った。

3代目エスコートRS 1600iは世界ラリー選手権のグループAに参戦。リチャード・ロングマンやアラン・カーナウなどが活躍を見せるものの、フォードの期待には届かなかった。

ハンドリングはど驚くほどタイト

Mk1やMk2の華やかなロータス製ツインカムと比べると、Mk3 1600iのエンジンは存在感が薄い。フォード製のシンプルな1597cc 4気筒CVHユニットが載っていた。刺激に欠ける内容だが、コンペティションに向けた興味深い設計が施されている。

ボッシュ製Kジェトロニック燃料インジェクションを備え、ツインコイル点火システムも採用。強化タペットと、アグレッシブなカムシャフトが組まれている。

フォード・エスコートRS 1600i(1981〜1983年)
フォード・エスコートRS 1600i(1981〜1983年)

レース仕様では、公道用のレブリミット、6500rpmをはるかに超える高回転域まで対応。最高出力は162psと驚く数字ではないものの、侮れない強さを発揮した。

サスペンションも、通常のエスコートとは別物。横方向のサポートアームが2本付き、フロントにはセパレートタイプのアンチロールバーを装備する。モータースポーツでは不可欠といえるキャスター角調整が可能で、設定次第でトルクステアを軽減できる。

一方で、公道向けに用意されたRS 1600iは、ラリー・スポーツと呼ぶには物足りない内容だ。Mk1やMk2の活発で激しい加速ぶりと比較すると、Mk3の加速は正直いって遅い。ハンドリングはど驚くほどタイトなのだけれど。

しかし、少なくともボールのMk3エスコートはコンディションが素晴らしい。ショールームに最近まで飾られていたように見える。

オリジナルのストックパーツを使用し、細心の注意を払って丁寧に組み立ててある。トランクリッドのステッカーも、完璧な姿だ。

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