【ラリーウエポン5台揃い踏み】フォード・エスコート ツインカムからRSコスワースまで 中編

公開 : 2020.12.26 20:25  更新 : 2021.05.18 16:15

手頃な価格と優れた性能を、高次元でバランスさせてきたエスコート。初代のツインカムから、5代目のRSコスワースまで、その特徴は受け継がれてきました。速いフォードにとりつかれた1人が集めた、壮観な5台をご紹介しましょう。

もくじ

運転の楽しさを小さなボディに凝縮
生産109台という希少な2代目RS 1800
エスコートと切れない関係のRS
ハンドリングはど驚くほどタイト
前輪駆動の競争力アップで選ばれたターボ

運転の楽しさを小さなボディに凝縮

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:John Bradshaw(ジョン・ブラッドショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
初代フォード・エスコート・ツインカムがヒットした理由はエンジンにあるが、重要な要因だったのが車重の軽さ。ツインカム・ユニットの性能を引き出してくれる。現代の基準では、110psはパワフルに聞こえないし、0-96km/h加速は9.9秒かかるけれど。

積極的にコーナーを攻めても、ボディロールは最小限。エンジンノイズがそのままバルクヘッドを突き抜け、車内で反響するように充満する。その素晴らしいサウンドに、思わず聞き惚れてしまう。

フォード・エスコートRS 1800(1975〜1977年)
フォード・エスコートRS 1800(1975〜1977年)

運転の楽しさを小さなボディに詰め込むとしたら、これが1つの完成形といえる。

高速エスコートの最も重要な存在として、1970年式のRS 1600を挙げる読者もいるだろう。ツインカムのパッケージに、コスワースが設計したBDAエンジンが組み合わされている。RSは、ラリー・スポーツの略だ。

このエンジンは、コルチナ1600用のクロスフロー・ケント・ユニットに、ベルト駆動の2本のカムシャフトを備えるアルミニウム製16バルブ・シリンダーヘッドを載せたもの。サーキット育ちのエンジンだった。

しかしボールの場合は、このエスコート・ツインカムの方が上らしい。高性能エスコートの起源ともいえるモデルだからだ。それにBDAエンジンを載せた、かなりレアなMk2 RS1800も所有している。

2代目エスコートが登場したのは1975年。まったく新設計というより、初代の進化版といえる内容だった。シャシー構造は近似し、ボディ寸法や、1.1Lと1.3L、1.6Lのエンジンも初代エスコートと共有。明らかな違いは、スタイリングくらい。

生産109台という希少な2代目RS 1800

1975年6月に登場したMk2エスコートRS 1800も、先代モデルに近いものだった。すでに初代RS 1600で多くの改良が施されており、2代目でホモロゲーション獲得に必要だったのは、認め印程度だった。

先代が構築した伝説によって、2代目のRS 1800もエスコートの注目を集めるきっかけとなった。「わたしは18歳からRS 1800に憧れていましたが、買うお金はありませんでした」。と振り返るボール。

フォード・エスコートRS 1800(1975〜1977年)
フォード・エスコートRS 1800(1975〜1977年)

フォードの工場を出たRS 1800は、109台のみ。希少な生存車両を発見できて、とても幸運だと認める。「このクルマは20年ほど、農家の納屋に乗られずに保管してありました。すべてのボディパネルがオリジナル。鈑金された過去はありません」

「わたしが購入してから、地金の状態まで剥離し、再塗装してあります。当時物のライトやスイッチなど、時間をかけて探してディテールを仕上げました」

オリジナル状態を重視しているボールのコレクションだが、このRS 1800は別格。ショーカーというより、熱い走りを楽しむために仕立ててある。

工場出荷状態のBDA 1835ccユニットは、116psを発揮していた。だがボールはエンジンをリビルドした時に手を加え、馬力を倍近くまで高めている。

ボアアップされ、排気量は2.0Lに拡大。強化部品で内部構造を組み直し、ウェーバー・キャブレターを載せることで、レブリミットは9000rpmに設定されている。

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