【電動化率1位はトヨタではない?】今、電動車(xEV)が多いメーカーはどこ? ディーゼル再び悪役になるのか

公開 : 2021.01.01 08:25  更新 : 2021.10.09 23:42

トヨタのガソリン車の比率は高いのか、低いのか

では、日本の自動車メーカーの電動車(xEV)率はどの程度なものなのだろうか。先の「燃料別販売台数(乗用車)日本自動車販売協会連合会発表」の2020年1~11月のデータをまとめると以下のような結果となる。

・トヨタ:ガソリン車59.21%/HV 39.26%/PHEV 0.53%/ディーゼル 0.94%/EV 0%

日産リーフ
日産リーフ

ホンダ:ガソリン車43.78%/HV 56.09%/PHEV 0.01%/ディーゼル 0%/EV 0.11%

・日産:ガソリン車28.91%/HV 65.06%/PHEV 0%/ディーゼル 0%/EV 6.01%

マツダ:ガソリン車64.71%/HV 3.25%/PHEV 0%/ディーゼル 32.04%/EV 0%

スバル:ガソリン車68.67%/HV 31.33%/PHEV 0%/ディーゼル 0%/EV 0%

三菱自動車:ガソリン車23.46%/HV 15.05%/PHEV 11.67%/ディーゼル 49.51%/EV 0.31%

スズキ:ガソリン車48.83/HV 51.17%/PHEV 0%/ディーゼル 0%/EV 0%

ダイハツ:ガソリン車99.86%/HV 0.14%/PHEV 0%/ディーゼル 0%/EV 0%

驚くのは、プリウスアクアを擁するトヨタの意外なガソリン車の多さだ。なんと約60%がガソリン車なのだ。

また、販売のほぼすべてがガソリン車であるダイハツも驚く数字だ。ちなみに、三菱自動車はガソリン車こそ23.46%だが、販売の半分がディーゼル。つまり電動車(xEV)に限ると少数派だ。そして、マツダもディーゼルが多いため、電動車(xEV)の数は、わずか3.25%と寂しい数字となる。

一方、日産は28.91%以外すべて電動車(xEV)で、国内ブランドではナンバー1の電動化率だ。それに続くのがホンダとスズキ。ハイブリッドを得意とするホンダは理解できるが、意外やスズキのハイブリッド率の高さには驚かされる。

ただし、スズキのハイブリッドは、簡便なマイルドハイブリッドが中心。プリウスなどのストロングハイブリッドと比べると、電動化の程度は低いが、それでも電動車(xEV)に含まれるため、こうしたポジションになっているのだ。また、約31%をハイブリッドとしたスバルも健闘組だ。

変化したディーゼルの扱い

今回のデータを見る限り、電動車(xEV)の率が高いのは、日産とホンダだ。そして、トヨタ、スズキ、スバル、三菱が電動車(xEV)3~5割で続く。そして、マツダとダイハツが、最後尾で、わずか数%という結果となった。

ちなみに、三菱自動車とマツダは、ディーゼル車が3~5割を占めている。ディーゼルは、今や、すっかり悪役という雰囲気になったが、ほんの少し前までは次世代自動車のひとつであった。

三菱エクリプス・クロス
三菱エクリプス・クロス    三菱

電動車(xEV)への注目が高まるけれど、本来の狙いは排出ガスを減らすことが目標だ。燃費性能に優れるディーゼル・エンジンにハイブリッド技術を組み合わせれば、まだまだ、その存在は重要だ。マツダも三菱自動車もディーゼル、電動化=ハイブリッド化を進めるのではないだろうか。また、マツダは近く自社開発のハイブリッドも発表するという。

ほとんど電動化のないダイハツであるが、親会社はトヨタである。やる気になれば、ハイブリッド化が難しいわけではない。やるとなれば、あっという間に全車電動車(xEV)にするのも夢ではない。現状の電動車(xEV)の少なさは、それほどの問題ではないはず。

「2030年ガソリン車禁止」が話題となっているが、実際に禁止になっても、日本のメーカーは、それほど苦労せずに対応できるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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