【V8マスタングを残すために】フォード・マスタング・マッハEへ試乗 最大609kmの純EV 前編

公開 : 2020.12.31 19:05

数年後もV8マスタングを販売できる可能性

リンカーンというブランド名では、欧州の人にはさほど響かない。一方でマスタングなら、イメージを形成しやすい。古くからのフォードのファンでも、「電気自動車は、自分たちのものだ」と感じてもらえる。

「もしマスタング・マッハEを購入すれば、CO2の排出量削減という課題解決にも参加できます。そうすれば、V8エンジンのマスタングを3年後か5年後かに買い替えたいと思っても、変わらず販売できる可能性が高くなります」。とフォードは考えている。

フォード・マスタング・マッハE エクステンドレンジAWD(欧州仕様)
フォード・マスタング・マッハE エクステンドレンジAWD(欧州仕様)

フォードのファンなら、買ってくれるかもしれない。それ以外の人でも、手に入れたいと思えるだろうか。

マスタング・マッハEの成功は、フロントで駆けるマスタング・エンブレムにふさわしい走りかどうかで決まる、と考える読者もいるはず。確かにそうかも知れない。前置きが長くなったが、詳しく見ていこう。

英国での価格は4万ポンド(540万円)を少し上回ると考えられ、安くはない。しかしライバルより大きく、実用的な純EVだといえる。

マスタングをトリビュートしたボディデザインに、インフォテインメント用の大きな縦型モニターが収まるインテリア。プレミアムと呼ぶには品質的に少し課題はあるが、高級なフォードとして珍しいことではない。全体としては良いクルマだ。

動的性能や利便性など、重要な部分の仕上がりは高い。初めてフォードに乗る人にも、マスタングを守りたいと考えるフォード・ファンにも、わかってもらえそうだ。

この続きは後編にてご紹介しよう。

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