【ナイフvsハンマー】スカイラインGT-RとポンティアックGTO GTを名乗る日米の2台 後編

公開 : 2021.01.16 18:25

鋭く小さなナイフと力技の巨大なハンマー

ハイドラマティックと呼ばれたATのギアは、2速だけ。それでも、変速が必要だと感じる場面はほとんどない。88km/hを超える4500rpmまで回ると、2速に入るらしい。ちなみに3速MTがGTOの標準装備で、4速MTもオプションで選べた。

この2台を並べると、日産スカイラインGT-Rは鋭く小さなナイフ。それに対し、力技で巨大なハンマーを振りかざす、ポンティアックGTOという比較に見える。

日産スカイラインGT-R(初代KPGC10/1969〜1972年)
日産スカイラインGT-R(初代KPGC10/1969〜1972年)

純粋なモータースポーツでの強さを追求することなく、アメリカ人の喜びのために生まれたポンティアックGTO。1960年代のデトロイトで生まれたガスガズラーが、都市伝説的なイメージを築き、コレクションモデルになりえることを証明した1台だ。

新車当時は最速だっただけでなく、最も堅調に販売台数も稼いでいた。ポンティアックのマーケティング部門がなければ、ライバルのマッスルカーも生まれなかったかもしれない。

今回の2台は、ともにメーカーが生み出した、ファミリー・サルーンがベースの高性能モデルという共通点はある。しかし、生産台数は大きく異なり、GT-RとGTOの現在の価値には決定的な差が生まれている。

GT-Rは、日産がモータースポーツへ本格的に進出する契機になったモデルなのに対し、GTOにはそのチャンスが巡ってこなかった。むしろアメリカの規制強化で、GOTの欲求不満は募る一方だった。

自動車産業の稀有なハイライトの1つ

ボルトオンされたリアのオーバーフェンダーをまとい、輝かしい直列6気筒を搭載する初代スカイラインGT-R。今に続く、サーキットと一般道を股にかける特別なモデル、という構図を作り上げた。

ヒーローが操るレーシングマシン級の性能が、一般道で楽しめる。極めて珍しいモデルを所有するという事実で、オーナーの心をくすぐってくれる。

日産スカイラインGT-R(初代KPGC10/1969〜1972年)
日産スカイラインGT-R(初代KPGC10/1969〜1972年)

現在も代を重ねるGT-Rは、戦後の日本の自動車産業において、稀有なハイライトの1つといえる。当時の日産の技術や野心が、どれだけ急成長を遂げていたのかを具体的に示すモデルだ。

初代スカイラインGT-Rなら、ダットサンに20万ポンド(2700万円)払うだけの価値はあるだろう。真っ白なKPGC10のハコスカが、間違いなく証明してくれている。

GT-RとGTO 2台のスペック

日産スカイラインGT-R(初代/1969〜1972年)のスペック

価格:新車時 150万円/現在 20万ポンド(2700万円)以下
生産台数:1917台(総計)
全長:4330mm
全幅:1665mm
全高:1370mm
最高速度:199km/h
0-97km/h加速:8.1秒
燃費:8.6km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1100kg
パワートレイン:直列6気筒1989cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps/7000rpm
最大トルク:17.9kg-m/5600rpm
ギアボックス:5速マニュアル

ポンティアック・テンペスト・ル・マンGTO(1964〜1967年)のスペック

価格:新車時 2783ドル/現在 4万ポンド(540万円)以下
生産台数:28万6470台(総計)
全長:5156mm
全幅:1862mm
全高:1359mm
最高速度:193km/h
0-97km/h加速:7.3秒
燃費:3.9km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:1575kg
パワートレイン:V型8気筒6377cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:329ps/5000rpm
最大トルク:59.4kg-m/3200rpm
ギアボックス:2速オートマティック

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