乾燥した大平原で見つけた日米欧の廃車 40選(前編) 半世紀前のフォルクスワーゲン『ラビット』も ジャンクヤード探訪記

公開 : 2026.03.22 11:05

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、クルマの保存に有利なコロラド州の乾燥地帯を訪れ、アメ車だけでなく日本車や欧州車などを撮影してきました。

1年の大半が「晴れ」

米国コロラド州ラマー郊外の平原に位置するジャンクヤード『ウォラー・オートパーツ(Woller Auto Parts)』は、まさに自動車部品の宝庫だ。

1960年代後半に創業し、今も生涯をクルマに捧げたドン・ウォラーさんが経営するこのヤードは、80エーカー以上の広大な敷地面積を誇る。何千台もの車両が並び、クラシックカー愛好家にとって夢のような空間だ。色あせたテールフィン、角張ったピックアップトラック、忘れ去られたセダンが、果てしない空の下に並んでいる。

コロラド州のジャンクヤードで見つけた味わい深いクラシックカーを写真と共に紹介する。
コロラド州のジャンクヤードで見つけた味わい深いクラシックカーを写真と共に紹介する。

乾燥した気候(年間300日以上が晴天)のおかげで、多くの車両が驚くほど良好な状態で保存されている。

ただし、予約なしで訪れるのは避けた方がいい。営業時間が不規則なため、事前に連絡するのが賢明である。筆者がアポなしで訪れてしまった時はゲートが閉まっていたが、親切な郵便配達員がオーナーに連絡し、寛大にも自由に探索を許可してくれた。あっという間に数時間が過ぎていったが、その間、敷地を見張るラマたちの鳴き声だけが響いていた。

フォードマスタング

この庭で群れをなすのはラマだけではない。1960年代のフォード・マスタングが平原の太陽の下に並んでいる。スモールブロックの轟音や低燃費の直列6気筒は、もはや過去のものだ。かつては手頃なアメリカン・パフォーマンスカーの象徴だったが、今は静かに余生を過ごしている。部品の供給源となって、他のマスタングを走らせ続けているのだ。

フォード・マスタング
フォード・マスタング

フォード・ピント・クルージングワゴン

こちらも動物に関するモデル。米国西部産の小型馬に因んで名付けられたこのフォード・ピントは、丸い舷窓と今や色褪せたグラフィックを備えた珍しいクルーシングワゴンだ。1970年代後半、サブコンパクトワゴンにカスタムバンの趣を加えようと試みたモデルである。このヤードではレストア用車両として販売され、誰かが救いの手を差し伸べてくれるのを待っている。

フォード・ピント・クルージングワゴン
フォード・ピント・クルージングワゴン

シボレー・マリブ(1971年)

この1971年式シボレー・マリブは、シェベルの上級モデルとして誕生した。米国中流家庭の車庫に西海岸の華やかさを添えるため、カリフォルニア州マリブのビーチに由来する名が与えられた。当時は控えめな6気筒からパワフルなV8まで、いくつかの仕様を選べるようになっていた。この写真の個体はグリルとエンジンを取り外され、今では雑草に埋もれて静かに時を刻んでいる。まだ残っている部品に価値があるため、スクラップ処理を免れているだけだ。

シボレー・マリブ(1971年)
シボレー・マリブ(1971年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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