【バランスの良い長距離選手】フォルクスワーゲン・ゴルフGTDへ試乗 最大トルク40.7kg-m

公開 : 2021.01.09 10:25

たくましく柔軟で反応の良いエンジン

ディーゼルエンジンはとてもレスポンシブで、スポーツ・モードを選択すると軽快に吹け上がる。ディーゼルにしては。動的性能を左右するトルクも太く、1500rpmを超えた当たりから力強さが高まり、4000rpm目掛けて勢いを増していく。

GTDは爽快に加速してくれる。同時に、回転域を問わず豊かなトルクが得られるから、コンフォート・モードでの安楽なクルージングも得意分野。優れた中回転域の柔軟性で、高めのギアを保って穏やかに高速道路を移動できる。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)

気温が低い冬の朝など、始動直後の冷間時にはディーゼルらしいカラカラ音が大きいものの、温まってしまえば静かに落ち着く。長時間でも気にならない、機械的な洗練度も得ている。

加速時ならデュアルクラッチATの反応は良く、スムーズでクイックにシフトアップする。一方、市街地などでのシフトダウン時は、若干もたつくことがある様子。発進と停止を繰り返すような場面では、少しギクシャクするようだった。

ディーゼルエンジンはガソリン版より重たいはずだが、回頭性は優秀。ホットハッチと呼ぶにふさわしい、フロントタイヤのグリップ力もある。かなり高めのコーナリング速度でも、しっかりラインを保持して縫っていける。

シャシー全体のまとまりも良い。ボディロールは漸進的に増していくが、グリップが抜けて乱れることはない。今回の試乗車が履いていたタイヤは、19インチで235/35というサイズのスタッドレスだった。

バランスの取れた長距離ランナー

乗り心地は、ディーゼルエンジンのハッチバックとしては硬め。路面に凹凸があると、垂直方向の動きとしてボディへ伝えてしまう。それでも衝撃の吸収力は素晴らしく、角は上手に丸めてある。

最新版GTDは、ディーゼルエンジンを積む8代目ゴルフの中で、一番スポーティな性格付がされている。高評価だった先代までの期待に、応えてくれたといっていい。ゴルフGTIほど俊足ではないものの、太いトルクが生む柔軟性や力強さには、充分な訴求力がある。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)

まとまりの良い動的性能に、優れた燃費を併せ持ち、不満の少ない付き合いやすいハッチバックだと思う。フォルクスワーゲンのいうとおり、バランスの取れた8代目ゴルフGTDは、優れた長距離ランナーと呼べるだろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTD(欧州仕様)のスペック

価格:3万8420ポンド(518万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:244km/h
0-100km/h加速:7.1秒
燃費:18.2-19.2km/L
CO2排出量:137g/km
乾燥重量:1465kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:199ps/3600-4100rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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